物流アウトソーシングの上手な選び方|導入メリットや自社物流との違い
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最終更新日:2023/06/06
ファッション物流
自社の製品を取引先やエンドユーザーまで届けるためには、物流体制の構築が不可欠です。しかし、自社で一から物流体制を構築するのは莫大なコストと手間がかかり、現実的に考えて難しいケースも多いものです。
そこでおすすめなのが、物流アウトソーシングサービスの活用です。本記事では、物流アウトソーシングサービスでできることや導入のメリット、物流専門会社の選び方なども含めて詳しく解説します。
Contents
物流アウトソーシングに委託できる業務内容
物流アウトソーシングとはその名の通り、物流業務をアウトソーシング(業務委託)するサービスです。具体的にどのような業務を委託できるのか、代表的な6つの業務内容を紹介しましょう。
入庫・検品
倉庫へ入荷した商品を受け取り、在庫棚など所定の場所へ格納する作業を入庫とよびます。
また、単に商品を受け取るだけでなく、入庫した商品に破損や汚損、異常がないかを検査する作業を検品とよび、入庫と同時に検品作業を行います。
在庫管理
在庫管理とは、入庫した商品を出荷まで保管し、適切に管理する業務です。
商品数や種類が少ない場合は在庫管理に手間がかかることはありませんが、取り扱う商品の量や種類が増えるほど在庫管理が煩雑化します。
物流アウトソーシング業者は専門的な知識とノウハウを利用して、在庫管理のプロセスを効率化し、出荷ミスや発注ミスなども防ぎます。
ピッキング
ピッキングとは、受注伝票をもとに顧客から注文された商品を倉庫から取り出す作業のことです。
一見単純な作業に見えますが、誤った商品をピッキングしてしまうと誤配送に直結し、顧客からのクレームや返金・返品処理などの業務が増えてしまいます。
これを防ぐために、物流アウトソーシング業者はピッキングプロセスを効率化し、最小限のコストと時間で作業を行います。
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梱包
梱包とはその名の通り、商品を安全に輸送・配送するために、梱包材に包み配送伝票を貼り付ける作業です。
輸送・配送時の事故を防ぐためにも、適切な包装材料を選び商品を適切に梱包しなければなりません。
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配送管理
配送管理とは、荷物の最適な配送方法や配送スケジュールの調整、配送状況の追跡などを行う業務です。
正確かつスピーディーな配送を実現するために欠かせない業務で、顧客満足度の向上にも直結します。
物流アウトソーシングサービスの種類
物流アウトソーシングサービスには大きく分けて定額サービスとカスタム系サービスの2種類が存在します。
定額サービス
定額サービスとは、提供されるサービス内容や業務の範囲、料金プランが決められているタイプです。
明瞭な料金設定で追加料金がかかる心配がなく、コスト管理をしやすいのが定額サービスのメリットです。
一方で、繁忙期など一時的に荷物の量が増えても柔軟な対応をしてもらえない可能性が高く、定額サービスの利用にあたっては業務の繁閑に対応できるかを十分検討する必要があります。
カスタム系サービス
カスタム系サービスとは、自社が扱う荷物の量や委託したい業務内容、業務の範囲に応じて個別に見積もりをとってもらうタイプです。
定額サービスでは難しい柔軟な対応も、カスタム系サービスであれば対応できる可能性が高く、自社に合った物流体制が構築できるでしょう。
一方で、個別に見積もりをとってもらう手間がかかるほか、業務内容や委託の範囲によってはコストが割高になる可能性もあります。
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物流アウトソーシングと自社物流の違い
物流アウトソーシングと対比されることが多いのが自社物流です。
自社物流とはその名の通り、物流体制を自社で構築し、社内で業務を完結することを指します。輸送・配送のみは物流会社を利用するケースも多いですが、入庫や検品、在庫管理、ピッキング、梱包などの作業は自社のスタッフで賄います。
また、事業や売上の規模が大きくなってくると、物流インフラや倉庫なども自社で構築する企業も少なくありません。
物流アウトソーシングの導入メリット・デメリット
物流アウトソーシングサービスを利用する際には、メリットとデメリットを比較し十分検討することが大切です。
メリット
物流アウトソーシングサービスの主なメリットは以下の2点です。
物流に関する豊富な専門知識とノウハウがある
物流アウトソーシングサービスを提供している事業者は、物流業務の専門家であり、豊富な専門知識とノウハウを持っています。
取り扱う荷物の量や品目に応じて、効率的な物流体制を構築し運営する能力があります。物流業務のノウハウがなく一から体制を構築しなければならない企業にとって、心強い味方となってくれるでしょう。
コストの削減・人員の最適化
自社で一から物流体制を構築・運営していくとなると、莫大な設備投資や人員の確保などが必要になることがあります。
物流アウトソーシングサービスを活用すれば、荷物の取扱量に応じて無駄なコストが発生する心配がありません。
デメリット
物流アウトソーシングサービスのデメリットとして考えられるのは、以下の2点です。
オペレーション管理の難しさ
物流アウトソーシングサービスは、物流業務の一部または全部を外部の専門業者へ委託することになります。
取り扱う商品の種類や顧客の要望によっては、特別な物流オペレーションが求められることもあるでしょう。しかし、すべての物流アウトソーシングサービスがそのようなリクエストに応えられるとも限らないほか、的確な指示を出していないと業務に対応できないこともあります。
物流アウトソーシングへ依存してしまう
物流をアウトソーシングへ依存しすぎてしまうと、業務を委託するのが当たり前の状況となり、自社で物流業務を担うことが難しくなります。
たとえば、何らかの理由で物流アウトソーシングのサービスが提供できなくなった場合、自社に物流業務の運営ノウハウがなく事業継続そのものが困難になるリスクも考えられるでしょう。
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物流アウトソーシングが向いている企業や法人の特徴
物流アウトソーシングサービスのメリット・デメリットを踏まえて、どのような企業に適しているのか紹介しましょう。
注文量が一時的に増減する企業
年末年始や年度末、季節などに応じて注文量が急激に増加したり、反対に減少したりする企業に物流アウトソーシングサービスは適しています。
社員が総出で業務にあたっても、急激な注文量の増加に追いつかない場合もあるでしょう。このような時、物流アウトソーシングサービスを活用することで業務の繁閑に対応できます。
物流業務のノウハウがない企業
自社物流を検討しているものの、物流業務のノウハウがなく何から始めれば良いのか分からない企業も少なくありません。
物流アウトソーシングサービスを活用することで、自社に合った業務フローや業務プロセスを実現でき、実務を通しながら物流業務のノウハウや知見を得られるでしょう。
自社に合った物流アウトソーシング会社の選び方
物流アウトソーシングサービスを提供している会社は数多く、どこに依頼すれば良いのか迷うこともあるでしょう。自社に合った物流アウトソーシング会社を選ぶためのポイントを3つ紹介します。
取り扱い商材の実績・経験
自社が販売する商材の取り扱い実績や業務受託の経験があるかを確認しましょう。
商材によっても物流業務のノウハウは異なり、物流品質を維持するためにも専門的な知識や経験が要求されます。
EC物流に関するノウハウ
Eコマースの需要増加もあり、物流アウトソーシングサービスを利用するEC事業者も少なくありません。
EC物流は小口商品を個人宅へ配送する必要があり、BtoBの物流業務とはノウハウも異なります。そのため、EC物流に関するノウハウや経験が豊富であるかも確認しておきましょう。
納得感のある提案をしてもらえるか
物流業務の内容はすべての企業で共通しているものではなく、事業規模や取り扱う商材の種類、量によっても千差万別です。
単に見積もりをとって終わりではなく、自社の物流業務を効率化するための提案やアドバイスをしてくれる会社がおすすめです。
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物流アウトソーシングにかかる費用
物流アウトソーシングの利用にあたって、多くの方が気になるのがコストの問題ではないでしょうか。
物流アウトソーシングにかかる費用の内訳としては、以下のようなものがあります。
- システム利用料(3~10万/月)
- 倉庫保管料(月額4,000〜10,000円/坪)
- 入庫・検品料(10〜150円/個)
- ピッキング料(10〜150円/個)
- 梱包料(費)(100円〜/個)
- 配送料(費)(500円〜/個)
倉庫保管料は倉庫の立地によっても大きく変わり、都心部に近いほど坪単価は高額になります。
また、入庫料や梱包料、配送料も荷物の種類やサイズ、重量などによって単価は変わってきます。
物流アウトソーシングを利用するまでの流れ
物流アウトソーシングを利用するまでの一般的な流れは以下の通りです。
業者選定・問い合わせ
「自社に合った物流アウトソーシング会社の選び方」で紹介したポイントを参考にしながら、自社のニーズに適した物流アウトソーシング業者を選びます。
見積もり内容が適切かどうかを調べるためにも、複数の業者へ相談してみることが大切です。
打ち合わせ・見積もり
取り扱う荷物の種類や量、委託したい物流業務の内容などを担当者へ伝え、見積もりをとってもらいます。
契約締結
複数の企業から見積もりをとってもらい、比較したうえで契約先を決定します。
契約の段階においては、サービスレベル契約(SLA)を詳細に検討し、具体的な業務内容および責任範囲を明確にしておきます。
業務委託
契約内容に基づき、正式に物流業務をアウトソーシング業者に委託し実行してもらいます。委託後は業者のパフォーマンスを定期的に評価し、フィードバックを行うことでサービスの改善と最適化につながっていきます。
物流アウトソーシングの成功事例
物流アウトソーシングサービスを活用し、物流業務の改革に成功した企業の事例をいくつか紹介します。
固定費の削減と生産性向上
在庫管理や梱包、出荷作業をすべて自社スタッフで行っていたある企業では、物流アウトソーシングサービスを活用し専任の管理者や作業スタッフを派遣してもらったことで物流業務の削減に成功しました。
また、物流業務を最小限の人数で遂行できるよう、専用の商品ラックや梱包機、フォークリフトなどを活用し省人化。その結果、アウトソーシングサービス利用前に比べて固定費が削減され、全体的な生産性向上にもつながっています。
急激な受注増加に対応
自社商品の売上拡大によりオーダー数が急激に増加した企業では、従来の輸送ルートで対応しきれなくなり、物流アウトソーシングサービスを活用することになりました。
特にオーダーが集中しているエリアには輸送トラックの貸切便を設け、安定的な物流体制を確保し顧客満足度の向上にも貢献しています。
OTSはアパレル・ファッション・ジュエリーに特化した物流アウトソーシング専門会社
物流アウトソーシングサービスの利用にあたっては、取り扱っている商材の種類や量に対応できる専門会社を選ぶことが大切です。
なかでも、アパレルやファッション、ジュエリーといった商品は、同じ品目でもカラーバリエーションやサイズが豊富にあり、在庫管理が煩雑になりがちです。
これらを取り扱う企業や店舗で物流アウトソーシングサービスを検討している場合には、ぜひ一度OTSへご相談ください。
OTSはアパレルやファッション、ジュエリーに特化した物流アウトソーシングの専門会社であり、物流業務そのものの受託はもちろんのこと、効率的な物流体制の構築に向けたコンサルティングも提供しています。
物流業務のノウハウがない企業はもちろん、物流体制に課題を抱えている企業に対しても効果的なアドバイスや提案をさせていただきます。
まとめ
入庫や検品、在庫管理、ピッキング、梱包作業など、幅広い物流業務を委託できる物流アウトソーシングサービスは、さまざまな企業・店舗で活用されています。
特に物流業界は深刻な人手不足に陥っており、今後も人材確保は困難になっていくと予想されます。
自社物流を一から構築するには多くのコストと人手を要し、物流業務の専門的なノウハウも不可欠です。
自社で安定的な物流体制を構築・維持していくためにも、物流アウトソーシングサービスを有効に活用してみてはいかがでしょうか。

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