物流業とは|運送業・倉庫業との違いや今後の課題と対策を解説
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最終更新日:2023/06/13
ファッション物流
物流業は商品やモノをエンドユーザーの手元に届ける重要な役割を果たしており、社会インフラとして欠かせない産業です。
しかし、一般の方にとって物流業は漠然としたイメージしかなく、細かな業務内容まで理解できている人は多くありません。
そこで本記事では、物流業とは何か、混同しやすい運送業や倉庫業との違い、消費者にとってどのような役割を果たしているのかを詳しく解説します。また、物流業界が抱える課題や具体的な解決策の一例も紹介しましょう。
Contents
物流業とは
物流とは、商品や製品が製造されてからエンドユーザーの手元に届くまでのモノの流れのことを指します。
すなわち、物流業とは、モノの効率的な移動と供給を管理する業務全般のことを指します。
物流業はモノを製造するメーカーから小売事業者、流通業などさまざまな業種と関係性が深く、単にモノを運ぶというだけでなく、倉庫などでの保管や在庫管理なども含まれます。
そのため、製品の生産から消費者であるエンドユーザーまで供給チェーン全体を支える重要な役割を果たしているのです。
物流業の仕事内容
物流業と一口にいってもさまざまな業務が存在します。物流現場によって対応している業務は異なる場合もありますが、一般的に行われている業務内容を紹介します。
輸送・配送
輸送とは、製造拠点から物流拠点まで、または物流拠点間の移動を指します。これに対し配送とは、物流拠点からエンドユーザー先までのラストワンマイルの移動を指します。
効率的に輸送・配送ができるよう計画を立て、適切な輸送手段(トラック、船舶、航空機など)を選択します。また、輸送ルートの最適化や貨物の追跡、配送スケジュールの管理なども重要な業務のひとつです。
倉庫管理
商品や製品の保管や仕分け、出庫など、倉庫内での物流プロセス全般を指します。
作業倉庫スペースの効率的な配置や在庫の最適化、受け渡し手順の改善なども行います。
在庫管理
倉庫にある在庫の数量を把握することはもちろん、適切な在庫量が維持できるよう調節することも在庫管理のひとつです。
具体的には、需要予測や補充計画の立案、最適な在庫量などを計算し、需要と供給のバランスを調整します。
荷役
荷役とは、トラックなどから荷物を積み下ろしたり、荷物を積み込んだりする作業を指します。
また、荷物を倉庫から出荷する際の移動や入庫作業なども荷役に含まれます。
ピッキング
ピッキングとは、在庫を保管してある場所から発送する品物を取り出す作業のことです。
顧客からのオーダー内容が書かれた注文表をもとに商品を取り出すという単純な作業ですが、ピッキングを間違えてしまうと誤配送の原因となり、クレームが発生してしまいます。
物流品質を維持するうえでもピッキングは重要な作業のひとつです。
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検品
検品とは、発送する商品の品目や数量が正しいか、さらには商品そのものに破損や汚損、異常がないかを確認する作業です。
発送前の検品以外にも、在庫が入庫してきた時点で品目や数量を検査する入庫検品もあります。
包装
包装とはその名の通り、荷物を出荷できる状態に梱包し、配送伝票を貼り付ける作業を指します。
単にダンボールへ入れるだけでなく、輸送中に荷物が破損しないよう緩衝材を詰めたり、ギフト用のラッピングを施す作業も包装に含まれます。
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流通加工
流通加工とは、物流倉庫で行われる加工作業を指します。
たとえば、アパレル製品やファッション小物などの場合、サイズや品名が印字されたタグを取り付ける作業や、裾上げやネーム入れの作業もあります。
また、複数の商品がひとつにパッケージングされたセット商品の場合、箱詰めや袋詰め作業なども流通加工に含まれます。
情報管理
物流業務全般に関するデータの収集や分析、共有を行います。在庫データの可視化はもちろんのこと、発送済み荷物の追跡や配送状況の監視なども含まれ、これらのデータを必要に応じて社内や取引先、顧客などに提供することで物流プロセスの透明性と効率化を図ります。
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運送業や倉庫業との違い
物流業と似た意味をもつさまざまな言葉があり、混同することも少なくありません。特に間違いやすい運送業や倉庫業との違いを紹介しましょう。
物流業と運送業の違い
物流業と混同されやすい言葉として運送業があります。
運送業は一言で表すと、モノを運ぶ仕事のことです。たとえば、トラックによる輸送はもちろんのこと、貨物列車や船、飛行機による輸送も運送業にあたるでしょう。
一般的に運送業のなかに在庫管理などは含まれません。
物流業と倉庫業との違い
倉庫業とは、荷主である第三者に倉庫を提供し、荷物を保管することで対価を得るビジネスモデルのことを指します。
あくまでも倉庫で荷物を保管・管理することが倉庫業であり、物流業のように輸送・配送、在庫管理、包装などの業務は含まれません。
物流業の今後の課題
物流業界は現在さまざまな課題を抱えており、今後さらに深刻化していくと予想されています。解決すべき課題としてどのようなものがあるのか、代表的な2つの内容を紹介しましょう。
人手不足
日本では多くの業界・業種で深刻な人手不足に陥っていますが、なかでも物流業界はその影響度が一層深刻です。
特に物流を支えるドライバーは慢性的に不足している状態で、求人市場を見ても極めて高い有効求人倍率に達しています。
企業としてはドライバーを募集しても候補者が集まってこない状態で、一人あたりのトラックドライバーに大きなしわ寄せが来ています。
少子高齢化が進む日本ではドライバー不足がさらに深刻化すると考えられ、物流業界全体で対策が求められています。
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物流コストの高騰
物流業はトラックや船、飛行機、貨物列車などで荷物を輸送するため、燃料費や運賃の高騰が直撃しやすいという特性があります。
特に現在では世界情勢の変化から燃料費が高騰しており、物流会社の利益を圧迫しています。荷主との関係上、物流会社は安易に価格へ転嫁しにくいという現状もあり、苦しい経営状態にあることは間違いありません。
今後世界情勢が落ち着いたと仮定しても、全体の物価が上昇傾向にあることは事実であり、物流コストが今後下がっていくとは考えにくいでしょう。
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物流業の課題を解決するための対策方法
物流業が抱える課題を解決するためには、具体的にどういった対策が考えられるのでしょうか。
業務の自動化・システム化
物流業務のなかには、人手に頼った属人的なものも少なくありません。
トラックのドライバーはもちろんですが、在庫管理や荷役、包装、流通加工など、そのほとんどが属人的な業務といっても過言ではないでしょう。
人手不足が深刻化する社会を見据えたとき、これらの業務は可能な限り自動化し、システムを活用しながら負担を軽減していかなくてはなりません。
ドライバーの負担を軽減するために自動運転技術の社会実装も検討されていますが、会社単位でも在庫管理システムや倉庫管理システムの導入など、さまざまな対策方法が考えられます。
再配達の抑制
ドライバーの負担を軽減するためには、再配達の抑制が大きなポイントとなります。
冷蔵や冷凍といった手渡しが必要な荷物を除いて、「置き配」や営業所受け取りなどのサービスを拡大することで、最小限の工数で荷物が配達できるようになります。
物流業務のアウトソーシング
自社独自で物流体制を構築している企業も少なくありません。しかし、自社物流には多くのリソースが必要であり、人手不足が続く日本では将来的に体制を維持できなくなる可能性もあるでしょう。
また、一から自社物流を構築していくのも時間を要し、現実的ではないと考える企業も少なくありません。
このような人手不足の問題を根本から解決するためには、物流業務のアウトソーシングが有効です。
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物流会社に委託するメリット
物流の専門会社に物流業務をアウトソーシングすることで、どのようなメリットがあるのでしょうか。
コア業務に専念し生産性向上が期待される
物流業務の一部または全部を外部の専門会社へ委託することにより、最小限のリソースで高品質な物流サービスを提供できます。
これまで物流業務を担当してきたスタッフも、製品開発やマーケティング、営業といったコア業務に専念できるようになり、生産性向上にもつながります。
物流品質が向上し顧客満足度アップにつながる
物流の専門会社へ委託するということは、より効率的で品質の高い物流サービスを提供できることも意味します。
物流品質が向上すれば、誤配送や輸送中の事故、荷物の破損や汚損などを減らすことができ、クレームや返品・返金対応も少なくなるでしょう。
これらは結果として顧客満足度アップにもつながります。
物流アウトソーシングの上手な選び方|導入メリットや自社物流との違い
物流会社を選ぶポイント
物流業務をアウトソーシングしようと考えたとき、どの会社に委託すべきか迷ってしまうことも少なくありません。
どのようにして物流会社を選ぶべきなのか、押さえておきたい4つのポイントを紹介します。
解決したい課題や問題を明確にする
自社の物流業務にどのような課題・問題を抱えているのかを分析し、アウトソーシングによって解決したいことを明確化しましょう。
たとえば、誤配送や破損によってクレームが増加している場合は物流品質の向上が求められます。
物流拠点の立地条件
物流倉庫やセンターなどの拠点がどこにあるのか、立地条件を確認しましょう。
一般的に都心部に近いほどコストは高い傾向にあります。また、将来的にビジネス規模の拡大が予想される場合には、十分なキャパシティを有しているかを確認しておくことも大切です。
物流拠点の立地条件はアウトソーシングにかかるコストにも影響してくるため、自社に適した物流会社を選びましょう。
取り扱い商材に関する知見やノウハウ
物流業務で取り扱う商材によっても専門的な知見やノウハウが求められることがあります。
特に流通加工は商材によって作業内容が大きく異なり、特定商材を取り扱った経験のない物流企業に委託してしまうと品質維持が難しい場合もあります。
これまでの実績・経験
物流会社の規模や事業内容によっても、これまでの実績や経験が豊富なところもあれば、経験が少ない企業もあります。
各企業のホームページではこれまでの実績を公開しているところもあるため、複数社を比較しながら信頼性の高い企業を検討してみましょう。
OTSはアパレル・ファッション・ジュエリーに特化した物流アウトソーシング専門会社
数ある商材のなかでも、アパレル製品やファッション小物などは管理が煩雑であるため、経験豊富な物流会社を選ぶ必要があります。
たとえば、同じデザインのTシャツであっても、SサイズやMサイズ、Lサイズなど複数のバリエーションがあり、色のパターンも異なります。それに応じて在庫も管理しなければならず、アパレル製品を取り扱った経験が少ないと物流業務が煩雑化し品質低下を招くおそれもあるでしょう。
アパレル製品やファッション小物に強みをもつ物流会社をお探しの方は、一度OTSへご相談ください。
メーカーや小売事業者に代わって物流業務全般のアウトソーシングが可能なほか、効率的な物流を実現するためにコンサルティングなどにも対応しています。
まとめ
物流業が担う業務は輸送や配送、在庫管理、ピッキングなど幅広く、多くのスタッフがこれらの業務に従事しています。
自社で物流体制を構築している企業もありますが、物流業界は深刻な人手不足に直面しており、求人募集をかけてもスタッフが確保できない企業も少なくありません。
人手不足に対応するためにも物流アウトソーシングの活用は有効な方法といえますが、取り扱う商材に特化した専門的なノウハウをもった物流企業に委託することが大切です。
アパレル製品やファッション小物、ジュエリーなどの物流を委託したいと考えている企業は、ぜひ一度OTSへご相談ください。
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