物流における検品作業とは?重要性やアウトソーシングのメリットを紹介
物流現場では、オーダー内容に合わせて商品をピックアップするピッキングや、返品処理、棚卸しなどさまざまな業務があります。
なかでも、取引先やユーザーからのクレームを未然に防ぐために重要なのが検品作業です。
物流業務のノウハウがない企業にとっては、検品作業と聞いてもどういった業務を行うのかイメージが湧かないことも多いでしょう。
そこで本記事では、物流における検品作業の内容と重要性、業務を効率化するために役立てたいアウトソーシングのメリットなどもあわせて解説します。
Contents
検品作業とはどんな仕事内容?
物流業界の仕事に従事していなくても、一般的に「検品」という言葉は一度は耳にしたことがあると思います。
検品作業には大きく分けて入荷検品と出荷検品の2つが存在します。
入荷検品とは、オーダーした商品が入庫したときに、商品に異常がないかを検査することを意味します。
商品に汚れがついている、または破損した状態ではないかを確認することはもちろんですが、オーダー通りの数量が入庫しているか、型番の間違いがないかを確認することも入荷検品の作業のひとつです。
これに対し出荷検品とは、オーダーを受けた商品をピッキングし、発送する前の段階で出荷指示書と合致しているかを調べ、商品にも異常がないかを検査する作業を指します。
このように、検品作業は商品を発送するメーカーや卸売企業と、商品を入庫した店舗それぞれが行っています。
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物流において検品作業はなぜ重要?
検品作業の内容は上記で紹介した通りですが、オーダーした商品がオーダー通りに届くというのは当たり前のことのように思えます。
そのため、わざわざ手間をかけてまで検品作業をしなくても良いのではないか、と考える方も多いでしょう。
しかし、物流現場では、ヒューマンエラーや発注時の連絡の行き違いなどによって異なる商品が届くケースも少なくありません。
検品作業を怠ってしまうと、店舗からユーザーの手元に商品が届いた際に中身が違っていたり、商品が汚損・破損した状態で届いてしまう可能性もあり、クレームの原因になることも多いのです。
ユーザーからのクレームが多発すると、メールや電話などによる顧客対応に追われることはもちろん、商品の返品対応や交換、返金の手続きなどに多くの工数を要してしまい、業務効率が低下します。
検品作業を確実に行うことによって、こういったクレームやトラブルを最小限に抑えることができるのです。
検品作業のミスで起こりうる問題
物流現場において検品は重要な作業であることが分かりましたが、人の目と手によって行う以上は何らかのミスも起こり得るものです。
特に物流現場での業務経験がない、または浅い担当者は、仕事に慣れるまでミスをすることもあるでしょう。
では、万が一検品作業でミスが発生した場合、どういった問題が起こるのでしょうか。
ユーザーへの健康被害
検品作業では商品そのものが汚損・破損していないかを調べると同時に、異物が混入していないかを検査する目的もあります。
たとえば、アパレル製品やファッション小物などは、製造過程において針を使用します。
通常であれば製品を出荷する段階で針をすべて取り除きますが、稀に針が混入した状態で包装され出荷に至ることもあります。
検品作業を怠ったり、チェックが甘かったりすると、針が混入したままユーザーの手元に商品が届き、着用したときにケガをする危険性もあります。
企業の信用低下
検品作業を怠ることで、ユーザーからさまざまなクレームが発生する原因になります。
あまりにも検品作業の品質が低いと、ユーザーの間で「粗悪品を販売している」といった悪評が広まっていくことも考えられ、企業としての信用が低下していきます。
その結果、その企業や店舗から商品を購入するユーザーが減り、売上の減少にも直結していくでしょう。
企業にとって検品作業における課題点
検品作業の重要性は理解しているものの、実際にはさまざまな課題を抱えている物流現場も少なくありません。
特にどういった課題が多いのか、代表的なものを2点紹介しましょう。
ヒューマンエラー
これまでも解説してきた通り、検品作業は人の手と目によって行われる作業である以上、ヒューマンエラー(人為的なミス)を完全になくすことは難しいものです。
マニュアルや手順書、チェックリストなどを準備していたとしても、検品作業に慣れてない新人スタッフは単純ミスを犯すことが少なくありません。
また、作業に慣れたベテランのスタッフであっても、長時間にわたって集中力を維持することは難しく、疲労が溜まってくるとミスを犯すこともあるでしょう。
ヒューマンエラーが発生したとき、担当したスタッフ個人の問題として片付けるのではなく、組織やチームとして同じミスを発生させないようにどういった対策を講じるべきかを考える必要があります。
人手不足
物流業界は慢性的な人手不足に陥っており、求人募集をかけてもエントリーが集まらないケースも少なくありません。
物流倉庫での作業は検品ばかりではなく、ピッキングや流通加工、返品作業など多岐にわたります。
限られた人員で物流現場を回していくためには、必然的に一人のスタッフにかかる負担も大きくなります。
スタッフのマンパワーだけに頼るのではなく、組織やチーム全体として検品業務を効率化する方法を考えなければ、検品作業の根本的な課題解決は難しいでしょう。
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検品作業をアウトソーシングするメリット
物流現場における検品作業の課題を解決するために、効果的な方法のひとつにアウトソーシングがあります。
外部の企業に検品作業を委託することにより、どういったメリットがあるのか詳しく解説しましょう。
作業品質の向上
物流業務の経験やノウハウが少ない企業にとって、検品作業の品質を向上させることはスタッフへの教育も含め膨大な手間と時間を要します。
しかし、物流業務のノウハウが豊富な外部企業へ委託できれば、すぐにでも検品作業の品質が向上できクレーム抑止につながるでしょう。
固定費の削減
検品作業を効率化するためには、たとえば検針機やバーコード読み取りのハンディ端末など、さまざまな設備投資が必要です。また、十分な人手を確保するために採用コストや人件費なども必要になるでしょう。
外部企業へアウトソーシングできれば、これらの費用をかけることなく迅速に検品体制が構築できます。
ジュエリー通販における検品作業
一口に検品作業といっても、取り扱う商材によって作業内容は異なります。
一例として、ジュエリーを扱う企業や店舗の場合、どういった検品作業が求められるのかを解説しましょう。
外観検査
外観検査とは、商品の外観をくまなく確認し、傷や擦れ、汚損などがないかを検査する作業です。
また、商品の寸法や形状に異常がないかを調べることも外観検査に含まれます。
触診検査
触診検査とは、金具や石留めなどに異常がないか、緩みの有無などを手で触って検査する作業です。
素材・成分分析
素材・成分分析とは、ジュエリーそのものの成分が本物であるかを専用の機器で分析する検査です。
アパレル・ファッション通販における検品作業
次に、ECサイトにおいて特に取扱量が多いアパレル・ファッション製品の検品作業を紹介しましょう。
外観検査
ジュエリー製品と同様に、商品の外観をくまなく確認し、傷や汚損などがないか確認します。
検針
アパレル製品の製造過程で混入した針が残っていないか、その他異物が混入していないかを専用の機械を使用して検査します。
バーコードスキャンによる出荷前検品
出荷前の段階で、オーダーのあった商品リストと出荷する商品に相違がないかをチェックします。
スタッフの目視による検品と合わせて、出荷指示書にあるバーコードを読み取ることで検品の漏れや誤りを未然に防ぎます。
アパレルに特化した倉庫とは|品質管理の方法や選び方のポイントを解説
OTSはアパレル・ファッション・ジュエリーに特化した物流アウトソーシング専門会社
アパレルやファッション、ジュエリーといった製品は、特にサイズやカラーバリエーションが豊富です。そのため、検品作業を怠ってしまうとユーザーに異なる商品が到着し、クレームや返品対応に追われることとなります。
アパレルやファッション、ジュエリーの検品作業を確実に行い、作業品質を高めるためには、これらの商材に特化した物流アウトソーシング会社へ依頼することが重要です。
OTSは長年にわたって多くの企業・店舗の物流業務を受託してきた実績があり、特にアパレルやファッション、ジュエリーといった商材に強みをもっています。
検品作業の重要性は十分に理解しているものの、自社で内製化できるだけのリソースに余裕がない、検品作業のノウハウがなく困っている場合には、ぜひ一度OTSへご相談ください。
まとめ
検品作業は取り扱う商材によってもさまざまな検査項目があり、一見地味な作業にも思えますが品質を担保するうえでは欠かせないものです。
物流現場ではヒューマンエラーの削減や人手不足といったさまざまな課題を抱えていますが、これらを解決するためのひとつの方法として、物流アウトソーシング専門会社への委託があることも念頭に置いておきましょう。

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