EC倉庫とアパレル倉庫との違い (後編)
おはようございます 物流業界のシュウゾーこと小橋です。
先日のニュースで佐川急便と日立物流の業務提携には驚きました。
企業間物流に強い日立物流と宅配便を得意とする佐川が一緒になる・・・・
その他でも、オンワードの物流子会社だったアクロスを
物流大手のセンコーの傘下になるなど物流業界もいろいろと動きがありそうです!
個人的には、
規模だけで業界シェア取りをすることは嫌いですが、
新しいサービスを実現するために自社の強みを活かして、
それぞれの企業が協力することはありではと思います。
特に、
物流の領域も広がり、グローバルに仕掛けるには、
すべてを自社で行うことは無理で、自社都合ではなく、
市場の声・顧客ニーズに応えるための統合は必然となると思います。
さて、前回のブログでEC倉庫とアパレル倉庫の違いについて書きましたが、
ご理解いただけましたでしょうか。
アパレル倉庫はEC倉庫と違い、品質検品などの流通加工が特徴となっており、
商品が入荷して棚に保管されるまでに時間がかかります
それに比べてEC倉庫は、
入荷よりも出荷にウェイトがあり、
当日に受注オーダー分を時間までにいかに早くピッキングして
梱包出荷まで終わらせることができるかが重要になっています。
アパレル専業の倉庫は比較的会社の数も少なく、
「東京納品代行」や「ワールドサプライ」や「浪速運送」など
百貨店の納品代行などの輸送から倉庫業務を行っている会社や、
元オンワード樫山の物流会社「アクロス」や丸井の物流子会社「ムービング」
さらにはワールドと関係の深い「水岩ファッションサービス」
倉庫機能に特化した「丸二倉庫」や「伊澤」
そして弊社 「オーティーエス」など、それ以外にもございますが、コンペとなると同じ顔ぶれが多いです。
EC物流については、ファッション専業と言うより、
食品から家電、書籍などカテゴリーはバラバラで取り扱っている倉庫会社が多く、
サービス内容も商品そのものの入出荷保管だけでなく、
撮影・採寸からコールセンターなどのEC運用のバックヤード機能・・・
いわゆるフルフィルメントと言われる物流が増えてきています。
中には、物流のプラットフォーム化をシステム視点で実現した
「オープンロジ」なんてのもあり・・・・物流と言ってもかなり多岐に分かれます。
http://ecclab.empowershop.co.jp/archives/3166
そして、物流を複雑にしているのが・・・・「オムニチャネル」です!
今までのブログで何度かオムニチャネルによって、
物流やシステムなどのバックヤード構築が複雑怪奇になっていることを触れさせていただきました。
たとえば、この記事
「あの有名店に学ぶ最新オムニチャネル。日本トイザらス、キタムラ、ベイクルーズの事例」
※ネットショップ担当者フォーラムより
ここでは、店舗在庫をネットで確認できることは当然のこと、
店舗になければネット、ネットになければ店舗と、場所や時間と言った制約条件なく、
お客様はほしい商品をほしい時に手に入れることができる。
「これって大手の話だから関係ない」 とも言ってられない・・・
このサービスに消費者がなれると、そうでないことにストレスを感じるようになります。
人の要求って際限ないですからね・・・
この話になるとまた長くなるので本題に戻すと、
今までは比較的物流会社は、アパレル物流はアパレル企業向けの流通加工、
EC物流はECバックヤード機能と分かれていました。
もしくは足りないとこは、外注化して補助的に運用していました。
でもオムニチャネルが進むと言うことは、
その両方の機能をそれなりの高いレベルで対応することのできる物流でないと、
荷主のニーズに対応できなくなってきています。
そこにはオプション的な機能ではなく、カートシステムと呼ばれるECフロントのシステムや、
店舗の売上を管理している店舗システム・・・他のECサイトとの連携などなどシステムも
複雑に絡んでいて、そこでの商品の荷動きの指示を最終的に処理するのが倉庫システム(WMS)です。
そのあたりを考える上で重要になってくるのが 「在庫管理」 の考え方です。
店舗・自社サイト・他サイト・倉庫の在庫のすべてをリアルタイムで捉え、
いろいろなチャネルからのオーダーを機会ロスなく販売につなげていく・・・
ね!・・・システムも複雑でしょ
今まではカートはカート
店舗システムはシステムと別々に考えても問題なかったのですが、
総合的に考えて自分たちにあったシステムそして倉庫を選ぶ必要があります。
「 それでも、倉庫会社を選ぶのは見積りだけでいいですか? 」
今回も最後は吼えてしまいましたが、
バックヤードの重要性 物流の重要性が少しでも伝われと思います。
ファッション業界の市況について悲観視する声が多いですが、
物流流からファッション業界を少しでも元気にできればと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

OTS マーケティング部

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