健康経営と新型コロナウィルスへの対応
新型コロナウィルスの騒ぎが始まって3ヶ月近くが経つが、現状を冷静に見ると日本の重症者や死亡者の異常な低さが目に付く。
いろいろな想定や想像ができるが、あくまでも事実を元に判断していくと、どのように対処・対応していけばいいか、ある程度見えてくる。
特に情報の中で注意が必要なのは、マスコミを始めとしたネガティブ情報に偏った報道。一方的にマイナスの情報を固めて危険を煽るような内容が多く、感染予防や行動の自粛を促すだけならまだしも、通常の経済活動を大きく妨げる方向に持って行っている感じがする。
自分自身も多くの従業員を束ねる経営者の一人として、いろいろなことを考え想定しリスクを検証して今の状況を受け入れているが、ここまでの自粛要請になると経済への影響で多くの被害者が生まれてくることを懸念している。一経営者として、あくまでも冷静に事実を観ながら行動を判断していきたい。
国や自治体の要請は当然尊重するが、自粛要請だけで補償が一定以上伴っていない場合は、自衛することが最優先だと考える。今回のCOVID-19はあくまでもコロナウィルスの新型で、全くの新生ウィルスではない。もちろん未知の部分はあるが、既に既知の部分もあり、過剰に自粛したり活動を抑制する方が後々の影響が大きくなると思われる。
毎年、数十万~1千万人以上のウィルス感染者が出ている日本で、このCOVID-19に対する警戒は異常ともいえる状況だと感じる。通常の肺炎やインフルエンザよりも重症化や死亡率が高いのは理解できるが、これほどまでに抑制する効果や意味がどれだけあるのかは疑問が残る。感染予防や拡大防止の策を巡らせることは大切だが、健康な人や抗体を持った人までも行動を規制するのは、違う意味での経済的・人的被害が増加することが懸念される。
できる限りの予防策を講じつつ、経済を止めない努力も継続していきたい。
OTSは物流サービスを生業としており、業種柄事業を自粛する対象になっていないが、自社が止まることによる顧客企業の重要なインフラが止まることの方が大きな影響となる。このような自粛要請の社会でも、ECのようなデジタル消費は逆に盛んになっており、売上が縮小しているリアル店舗の売上をカバーすべくネットへのシフトが進んでいる。このECにおいても実際のモノを届けるのは物流の仕事であり、そこが機能している限り販売活動は継続できる。この物流を支えているのが実際に現場で働く多くの物流スタッフであり、機械化や自動化が進んでも人の力無しでは物は流れていかない。当社内でも一部のEC業務では通常の2倍近い業務量になっており、残業や休日出勤が発生している。当然、人員配置を調整することで個々の負荷を分散しているが、専門性の高い仕事での交代要員のトレーニングには時間を要する。それでも、採算以上に人員を投入して繁忙部署の人員体制の二重化を図っており、いざ感染者が発生した際にも業務を止めない体制づくりを進めている。
当社の特徴でもあるファッションアイテム特有の付加価値業務は、専門性が高い業務も多く簡単に習得できるものばかりではない。その特徴がこういった体制の強化には負荷となるが、ある意味チャンスと捉えて一気に体制の幅を広げている。最も専門性の高い修理業務や撮影業務の技術者などは外部の協力者とも連携をしてカバーしていく必要はあるが、それ以外の一定の専門スキルや経験値を要する業務は、マニュアルなど手順の見える化をしながらその習得期間を短縮できる環境を整えている。
こういった事業継続に向けての不断の努力を支えているのも当然ながら人であり、その人たちの健康や安全は約10年前から徹底的に見直しをして仕組みや環境だけではなく、個々の考え方や行動も含めて取り組んできた。まず一番は自分の体調管理を徹底してできる限り免疫力を高く保つための行動をとる。7時間以上の睡眠、バランスが取れて内臓にやさしい食生活、うがい・手洗い・マスクの徹底。マスクは口腔内の湿度を維持するために装着を徹底している。ちなみにマスクは抗菌抗ウィルス素材の布マスクを全従業員に配布し、社内でも布マスクの生産を始めている。また、今回の感染経路の特徴として人→物→人の感染可能性も高く、次亜塩素酸水やエタノールなどでの多頻度の周辺環境の消毒拭き取りを実施し、どうしても必要なミーティングや昼食の際も席の間隔を開けて常に距離を取っている。毎朝の検温も徹底し、発熱がある場合は連絡の上自宅にて休養を取り数日様子を見る。発熱以外でも何らかの体調不良が感じられれば、必ず報告をして自宅にて休養を取る。これらの対応で運よく今のところは社内に感染者が出ていないが、今後も事業を継続する中で発生する可能性も十分ある。その際にも濃厚接触者が最小限に特定できるような行動ルールを周知し守ってもらっている。
本来、会社に来て仲間と適度に会話をしながら仕事をしたりランチを楽しむことが、会社の雰囲気づくりにはとても大切なことだが、今はそれが大幅に制限されている。その状況を強いることに申し訳ない気持ちがあるが、今はそれよりも感染者を出さないこと、広げないことが最優先だと考えている。しかし、免疫力にも関係しているが、その我慢やストレスが免疫力を下げることにもつながるので、許容できる範囲でストレスが軽減できることを考えていきたい。
ウィルスへの最大の防御は免疫力の向上である。身体にいいことはこういった有事だけではなく、常日頃から習慣化していくことで健康で永くイキイキと働くことができる。
免疫力の維持・向上こそが健康経営の礎だと考える。
OTS マーケティング部
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