物流を見れば会社の健康状態がわかる
こんにちは、物流案内人の小橋です。先日 日本小売業協会が主催するイベントに行ってきました。
アマゾンジャパンの事業本部長とイオンのEコマース事業最高経営責任者の基調講演でした。話す内容は、まさに旬な話題・・・「オム二チャンネルリテイリング」でした。黒船(アマゾン)を迎え撃つ、日本小売のTOP(イオン)みたいな構図で面白かったです。
さて、前回 物流にこだわる理由について触れましたが、もうひとつ自分の経歴についてお話したいと思います。それは、過去にアパレル会社で倒産を経験したと言うことです。それは13年前、160億の上場企業が倒産しました。その当時自分は、東日本エリアの婦人服のブランドをひとつ任されていました。こんなにあっけなく・・・正直な感想です。
でも、今考えると貴重な経験ができたなと思います。そして、なぜ会社が倒産したか?・・・そこには、物流が重要な鍵を握っていると感じています。そこで、今回のテーマは、「物流を見れば会社の健康状態がわかる」です。
簡単に3つのポイントで説明しますね。
1:経営者が倉庫に行かない会社は危険!
2:商品(状態)を見れば、販売スタッフの気持ちがわかる!
3:物流費が増えるのは、経営のまずさの表れ!
Contents
■経営者が倉庫に行かない会社は危険
ITが進み、売上だけでなく、在庫情報などがパソコンから一目でわかると思います。
でも、本当に数字だけで、自分達が売れると思って作った商品がどのようになっているか把握されていますでしょうか?
たとえば、在庫金額を把握していても、数量を聞かれて答えられない経営者は多いのでは・・・。
あるとき、物流費が増えているので、下げるように依頼がありました。それも、売上5%UPに対して、物流費が10%上がっている・・・との指摘でした。調べてみると、商品単価が20%近く下がっていて、当然単価が下がれば、物量は増えるので、物流費はそのままだと上がります。
それ以外にも、「物流費は第3の利潤源」との言葉をご存知でしょうか?詳しくはここでは、触れませんが、売上拡大、製造原価低減の次に、物流費の削減力は企業の経営力と考えられています。
さらには、物流ってすごいかも・・でも触れたように、物流は単なる経費部門ではなく、消費者をつなぐ、重要な要素となる、可能性をもっています。その重要性に気付いているかどうかは、大きな差になると感じていす。
■商品(状態)を見れば、販売スタッフの気持ちがわかる!
もっと身近なお話をします。前の会社でもそうでしたが、売上予算がいかなくて、販売スタッフには売上ノルマがかせられ、他社の売れ筋などの情報収集からディスプレーの変更。それでも数字がいかないと、セール品が大
量にお店に送られる・・・。
そんな店舗からの倉庫への返品ってどうなっていると思いますか?
ビニール袋にこそ入っているが、かなり乱暴に商品が扱われているのが実態です。 そこには、売上に追われて、商品に対する愛着はどこへ?そんな店舗にかぎって、本社から販売スタッフの笑顔がない・・と言われていたりします。
■物流費が増えるのは、経営のまずさの表れ!
冒頭に申し上げた倒産した会社は、その当時 商品戦略をデータ化し、アパレル業界のセブンイレブンとも呼ばれ、その経営スタイルを紹介した書籍も2冊ほど出版されました。今読んでも、その本に書かれている
商品戦略や、経営方針はすばらしいと思います。
ただ、どんな優秀な機会でもメンテナンスをしないと壊れてしまうのと同じで、少しずつその経営方針にひずみが出ていたのを、早期に発見し修正していれば、あんな事にならならなかったのではと思います。
そのひとつが在庫でした。その戦略が間違っていない事を証明するかのように、売上だけを追い求め、どんどん在庫が膨らみ・・・最期は、大量の在庫を抱えて倒産しました。OTSも29年の歴史の中で、そのような会社を多く見てきました。
以上となります。昔とちがって、物流の大切さを理解している会社の方が多いと思います。
そのような会社は昔話として聞き流してください。
ただ、10年以上たった今でも、販売スタッフを含めると数百名の人たちの将来が一瞬にして消えた事を思い出します。
そして、同じような事がおきないよう自分達にできることができればと思います。

OTS マーケティング部

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