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物流会社へのご相談

公開日: : 最終更新日:2023/05/17 ファッション業界(業界情報) ,

 

おはようございます。物流業界のシュウゾーこと小橋です。

 

連日猛暑が続いていますが、体調など崩されていませんでしょうか?

そんな中 暑苦しいブログはどうかなと思うのですが、

洗練されたクールなブログを書こうにも、自分の思考回路には、そのような設定がないみたいです・・・

なので、お嫌いでなければ・・・今日も暑苦しいブログにお付き合いください。

 

 

先日 物流について2社からご相談がありました。

1社は大手総合商社 もう1社は大手ジュエリー会社です。

 

ひとつは、

ファッション業界の商流をOEM・ODMなど川上から深く関わっている商社から見て、

川下であるECやオムニチャネルによる流通の変化に対応している物流に関心があり、

物流現場を見学したいとのご要望でした。

 

もうひとつは、

近々 基幹システムの見直しを予定しており、

その変更にともない、こちらも急激な市場の変化・・・

中でも、オムニチャネル対応について物流含めたバックヤードをどうするべきか?についてご相談をいただきました。

 

どちらもとても興味深い・・・且つ、重い内容でした。みなさんだったらどう回答されますか?

 

 

□昔と今 物流の違い

昔と今で物流はどう変わったと思いますか?

OTSの倉庫を見ると、現場はそれほど大きく変わっていないように感じます。

「入荷→検品→保管→出荷←返品」 変わったといえば、昔は店舗向けの出荷がメインでしたが、

個人向けの出荷が増えたことぐらいでしょうか。

でも、この個人向け出荷が増えたことが、実は大きな変化へとつながっています。

 

また、昔の物流会社に求められたことは、①柔軟性 ②対応力 ③コスト・・・

納期通りに商品が入ってこない、納品書と現物が違う、不良品の発生など、

ファッションはイレギュラーが多く、そのイレギュラーにどれだけ柔軟に対応するか?

 

さらには、季節波動も多いので、瞬間的に物量が増えても、

店舗への出荷は遅らせられない・・・キャパシティ(対応力)が求められました。

そして最後は、その機能を満たした上でどれだけコストを抑えられるか?

なので、物流会社の良し悪しは、物流会社の担当者によって評価も異なっていました。

 

 

その点は今でも求められていますが、たとえば、これを見てください。

システム連動1_ページ_1

 

システム連動1_ページ_2

これは、昔と今のシステム相関図です。

昔は、アパレル企業の基幹システムとのみ物流システム(WMS)が連携しており、

入出荷指示をデータで送受信していました。場合によっては、システム連携はなく、

電話やFAXでの指示で商品が動いていました。

 

今では、自社EC、他モールEC、店舗の在庫をAPIなどで一元管理し、

店舗在庫を自社ECで取り寄せて、個人へ配送するなど、システムが相互に連携しており、

ひとつでも処理が狂うと、商品は倉庫にあるのに販売できなかっいたり、空売りになったりします。

⇒ オムニチャネルによって、在庫連携などのシステム構造が複雑になり、それに対応する物流機能は必要とされています。

 

□昔の常識が通用しない

大手ファッション企業では、数億の投資をした自動倉庫(マテハン)が

使いものにならなくなっているとの話を聞きます。

ニーズの多様化により、多品種小ロットとなり、カートン単位から、

バラ単位での荷扱いになっており、カートン単位で設計した自動倉庫では機能しない。

先日もEロジットとの角井社長のお話では、コカ・コーラの倉庫も、

ファミリーサイズやデザインボトル・・など容器の変化に、

今までのサイズで設計された自動倉庫が使えなくなった・・・とのこと。

⇒ニーズの多様化やショールーミングなど、消費行動は変化しており、

昔の常識や仕組みは通用しない。むしろ足かせになることも・・・未来を見据えた新しい仕組みつくりが必要。

 

□物流にもテクノロジーが求められている

とはいえ、ファッションの場合は、家電商品や加工食品などの規格商品と違い、

ロットによるカートン単位ではなく、単品での取り扱いになるため、

まだまだ手作業での作業が多く、機械化はそれほど進んでいないのが現状です。

なので、中小アパレル企業から大手アパレル企業では、物流倉庫も広さの違いだけで、

中でやっていることにそれほど違いはありませんでした。

 

でも、黒船アマゾンやEC市場の拡大に合わせて状況は変わってきています。

当日出荷や、365日 24時間稼動などのデリバリーサービスによる、物流への負担は急増、

さらには賃金の上昇や、雇用不足などの問題もあり、今までのやり方では物流も限界にきています。

以前 ブログで進化する物流について書きましたが、

アマゾンやニトリやアスクルの事例は物流現場もテクノロジーが求められています。

※進化する物流センター http://www.e-ots.jp/blog/archives/3873

 

ただ、テクノロジーを活用するには、精度の高い物量情報や、

商品の保管時の容積などのマスターデータ、販売予測

さらには、仕掛品などの生産状況などSCMに関する情報などから、

物流倉庫のレイアウトから自動化も含めたフローを再設計が必要です。

なので、物流会社との関係も、パートナーとしてより深く、運命共同体として関わり、

改善を切り返しながら、よりよい方向に進めていくのが良いのではと感じています。

 

となると、物流会社を見積りだけで選ぶことが

馬鹿げていると思いませんか?・・・すみませんまた吼えてしまいました。

 

 

□まとめ

いかがでしょうか。 そうは言っても先行きが不透明な時代にどこからやるのがいいのか?

そもそも何をやればいいのか? 悩んでいる企業が多いのではと思います。

自分でも何が正解か間違っているかわかりません。

ただ、今そのブランドのお客様やこれからお客様に向けて、どんなことをして喜ばせたいのか?

そして、物流はそのお客様に商品をどのように届けたいか?

 

そこには、物流は物流部だけ、生産は生産部だけ、営業は営業部だけでの視点ではなく、

ブランド全体で考え、どのような物流機能があるといいのか?

さらには、それを実現するために、販売管理、在庫管理などのバックヤードシステムはどうあるべきなのか?

 

時には、今ある既存のシステムから見直す必要もあるかと思います。

でもこれからの時代に生き残っていくには、小手先だけの変更では難しいと感じています。

 

今回もかなりボリュームのある内容となりました。最後まで読んでいただいてありがとうございます。

極端な意見や偏った内容があったことはお詫びいたします。申し訳ございません。

 

「物流からファッション業界を元気にする!」その思いだけで書かせてもらっています。

是非 皆様からのご意見をお待ちしております。

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OTSにある7つの委員会のうちの一つ【広報委員会】 私たちは毎月発行の社外報『オープントークス』をはじめ、社内報や企業HP等オーティーエスを内外にアピールする活動を行っております。 オープントークスは、OTS内の6部門が毎月持ち回りで作成しており、皆様に楽しんでもらえる紙面を作るため日夜ネタ探しに奔走しております。 こちらのブログでは、オープントークス作成の秘話や編集後記をメインに、より社外報を楽しんでいただくための情報を発信していきます!

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