発送代行サービスとは|小売事業者にとってのメリットや業者選びのポイントも解説
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最終更新日:2023/04/26
ファッション物流
小売事業者の多くは、これまで実店舗での販売がメインでしたが、インターネットユーザーの普及にともないECサイトへの参入が増えています。
販路拡大を目指すうえでもECサイトへの出店は効果的な方法といえますが、その一方で発送作業を含めた物流業務に苦戦している事業者も少なくありません。
そこで、近年利用者が増えているのが「発送代行」とよばれるサービスです。
本記事では、発送代行とはどういったサービスなのか、小売事業者にとってのメリットや、業者選びのポイントもあわせて解説します。
Contents
発送代行とは?
発送代行サービスとはその名の通り、商品の発送業務や関連する手続きを代行するサービスです。
ECサイトへ出品している事業者や個人輸入事業者、海外から仕入れた商品を販売する通販事業者などが利用するケースが多いです。
発送代行サービスの具体的な内容としては、発送代行事業者が商品を受け取った後、発送伝票の作成など必要な手続きを行い配送業者へ引き渡し、最終的にエンドユーザーの手元まで届けるまでの一連の流れを代行します。
これに加えて、エンドユーザーからの問い合わせや返品・返金対応なども行う場合があります。
発送代行の主なサービス内容
発送代行のサービスを提供している事業者は数多く存在し、企業によっても提供しているサービス内容はわずかに異なります。
今回は、多くの事業者に共通している代表的なサービス内容をいくつか紹介しましょう。
倉庫受け取り
倉庫受け取りとは、発送代行業者の物流倉庫へ在庫商品を発送し、代行業者が受け取る業務を指します。
商品のオーダーがあるたびに代行業者へ商品を発送していては非効率なため、あらかじめ一定の数量を倉庫に在庫として保管しておくことができます。
梱包・発送
梱包とは、商品のオーダーがあった際にダンボールや袋などに入れ、配送先の情報や品目を記載したラベルの貼り付けを行う業務です。
輸送中に商品が破損・汚損しないよう、箱や袋のなかには緩衝材なども入れて厳重な梱包が求められます。
また、梱包作業が完了したら自社のトラックまたは配送業者へ商品を受け渡し、目的地まで配送してもらいます。
配送先に応じて国内配送または国際配送を選択できるほか、商品の種類や特性によっては冷蔵便・冷凍便なども選択する必要があります。
追跡サービス
追跡サービスとは、発送された商品が現在どういった状態にあるのか、配送状況をリアルタイムで確認するものです。
一般の宅配便でも追跡サービスは提供されていますが、これと同様に発送代行においても追跡サービスを利用できるケースが多くあります。
追跡サービスに対応していれば、万が一商品到着が遅れていてもエンドユーザーからの問い合わせに対応できます。
カスタマーサポート
カスタマーサポートとは、商品の配送状況や物流サービス全般に関する問い合わせを代行するサービスのことを指します。
たとえば、「オーダーした商品の到着日を知りたい」、「送料はいくらになるのか?」といったエンドユーザーからの問い合わせに対しても、自社で対応することなく発送代行業者へ業務を委託することができます。
また、万が一販売した商品に不具合があった際も、返品や返金といった対応も引き受けてくれます。
物流代行サービスの発送代行業者の選び方|気になる費用相場やメリットも解説
発送代行を利用する事業者が増えている理由
近年、発送代行サービスの需要は増加していますが、それはなぜなのでしょうか。
考えられる理由をいくつか紹介します。
ECサイト利用者の増加
インターネットユーザーの爆発的な増加に伴い、Amazonや楽天市場といったECサイトのユーザーも増えています。
これにより、従来は実店舗での販売がメインだった企業や事業者も販路拡大のためにEC事業へ参入するケースが増加しました。
ECサイトの運営にあたっては、商品を梱包しエンドユーザー宛てに配送するといった業務が発生します。
そこで、ECサイト向けの物流ノウハウがない事業者が発送代行サービスを活用するケースがあるのです。
海外通販サイト利用者の増加
高品質の製品をより安価に仕入れられる海外通販サイトを利用するユーザーも増えています。
しかし、国内における通販のノウハウはあっても、海外のECサイトとなるとノウハウがなく自社だけでは対応できないケースも少なくありません。
発送代行サービスを利用することにより、海外への配送や税関手続きなどをスピーディーに対応できることから需要が高まっています。
人手不足
物流業界では深刻な人手不足に陥っており、ドライバーや構内作業スタッフを募集しても人員が確保できない企業も少なくありません。
これは物流業界だけでなく、メーカーや小売、卸売といったさまざまな業界に共通しています。
自社だけで物流体制を一から構築するのは至難の業であることから、発送代行サービスという外部のリソースに頼らざるを得ないケースも多いのです。
コストの削減
人員を確保できたとしても、業界全体が人手不足であることに変わりはないため、条件次第では短期離職につながるおそれもあります。
そのため、企業は優秀な人材を確保しようと給与や福利厚生といった条件を見直すケースも増えています。
その結果、自社で物流体制を構築しようとするとコストばかりがかかってしまい、費用対効果が見込めなくなることも。
より安価で効率的な物流体制を構築するために、発送代行サービスを利用する企業は多いのです。
梱包代行を利用するメリットや業者を選ぶうえでのポイントとは?
発送代行を利用する4つのメリット
発送代行サービスを利用することで、企業や店舗にとってはどういったメリットがあるのでしょうか。
4つのポイントに絞って解説します。
業務効率化を目指せる
物流業務のノウハウがない企業が一から自社物流の体制を構築しようとしても、効率的な作業ができず時間を要してしまうことも少なくありません。
発送代行サービスであれば、物流業務のノウハウや経験が豊富な専門業者が対応してくれるため、業務効率化につながる可能性が高いでしょう。
物流の質が上がる・ミスの低減
物流業務のノウハウや経験が少ないと、発送先の間違いや発送漏れ、その他人為的なミスが発生しやすくなり、クレームの原因になることもあります。
発送代行サービスを利用することで、物流業務のプロがスピーディーかつ正確な作業を行ってくれるため、物流そのものの品質が向上しクレームも削減できるでしょう。
送料が安くなるケースも
発送代行サービスを提供する事業者は、複数のクライアントと取引があるケースが多くあります。
自社商品のみを配送するのではなく、他社の荷物と混載し配送することができれば、安価な送料で配送できる可能性もあるでしょう。
また、取り扱う荷物の量に応じて割引サービスを利用できるケースもあります。
在庫の保管スペースが不要に
自社で発送作業を行う場合、在庫を保管しておくための倉庫やスペースを確保しなければなりません。
しかし、発送代行サービスを利用すれば代行業者で保管スペースを確保してくれるため、自社で独自に倉庫を契約する手間とコストが不要になります。
また、在庫量の変動によって保管スペースがムダになったり足りなくなったりする心配がないことも大きなメリットです。
発送代行サービス会社の料金体系
実際に発送代行サービスを利用しようと考えた場合、多くの方が気になるのが料金です。
料金の内訳はどのような仕組みになっているのか、平均的な相場についても紹介しましょう。
発送費用
発送費用とは、荷物の配送にかかる送料のことです。
一般的な宅配便でも用いられるサイズ規格の60サイズ(3辺合計が60cm以内)の場合、1個あたりの発送費用は400円前後、120サイズの場合は600円前後が相場となっています。
ただし、取り扱う荷物の量や配送先、その他条件によっては割引が受けられる可能性もあります。
追加ピッキング
ピッキングとは、在庫を保管してある倉庫からオーダーに合わせて商品をピックアップし、梱包する作業のことです。
また、商品によっては単にピッキングするだけでなく、値札やラベルの貼り付け、ギフト用のラッピングなど流通加工を行うケースもあります。
ピッキングにかかる費用は商品によってもまちまちですが、100〜500円程度が相場となっています。
保管費用
保管費用とは、入荷した商品を在庫として倉庫に保管しておくためにかかる費用のことです。
単に倉庫へ保管しておくだけでなく、在庫管理や棚卸などの作業も必要なため、これらも含めて請求対象となるケースが多いです。
保管費用は倉庫の立地や面積などによっても異なりますが、都心の倉庫であれば1坪あたり5,000〜10,000円、郊外の倉庫であれば4,000〜6,000円程度が相場となります。
物流における誤出荷やミスの原因とは|改善対策のポイントも解説
発送代行業者を選ぶ際に気をつけたい4つのポイント
「発送代行サービス」と検索すると、さまざまな事業者がヒットします。
しかし、あまりにも種類が多すぎてどこを選べば良いのか分からなくなることもあるでしょう。
そこで、発送代行サービスを選ぶ際に注意しておきたい4つのポイントを紹介します。
費用
上記で紹介した費用相場を参考に、あまりにも相場とかけ離れていないかをチェックしましょう。
発送代行サービスは取り扱う荷物のサイズや量によっても費用がまちまちで、正確な料金は個別に見積もりをとってみないと分からないケースが多いです。
なかには、Webサイトに記載されている料金は安価なのに、見積もりをとってみたら割高な料金になってしまったという場合もあるため注意が必要です。
もし、見積表のなかに内訳が不明な項目があった場合にはしっかりと確認し、疑問を解消しておきましょう。
保管場所
意外と見落としやすいポイントとして挙げられるのが、倉庫そのものの立地や保管場所です。
上記でも紹介した通り、倉庫の立地によっても保管費用は大きく変わってくるため、少しでもコストを抑えるのであれば都心ではなく郊外の倉庫を探す必要があります。
一方で、あまりにも立地条件が悪いと、高速道路へのアクセスが悪く配送のリードタイムが長くなったり、発送拠点からの送料が高くなったりすることも考えられます。
また、保管場所の選定にあたっては、商品の品質に影響を与える心配がないかもチェックしておきましょう。
たとえば、高温多湿の場所や直射日光が当たる場所、冷蔵・冷凍設備の有無などが挙げられます。
サポート
発送代行サービスを依頼する企業や店舗のなかには、カスタマーサポートもあわせて依頼したいというケースが少なくありません。
発送代行業者のなかには、物流業務の代行は可能であるもののカスタマーサポートは非対応というケースもあるため、あらかじめ対応可能な業務の範囲を把握しておく必要があります。
商品に合わせた対応
発送代行を委託する商品によっては、流通加工などの作業も依頼しなければならないケースがあります。
たとえば、アパレル製品やファッション製品の場合、裾上げやほつれの補修作業、ギフトラッピング、ラベル・タグの取り付けといった作業が必要です。
発送代行に対応している業者のなかでも、このような商品に合わせた対応をしてくれる業者は決して多くありません。そのため、商材に特化した発送代行業者を探すことも大切です。
OTSはアパレル・ファッション・ジュエリーに特化した物流アウトソーシング専門会社
数ある商材のなかでも、アパレル製品やファッション製品は、裾上げやほつれの補修作業、ギフトラッピング、ラベル・タグの取り付けなどさまざまな加工作業が求められます。
また、インナー類からボトムス、ウェア、コート類まで、さまざまな形状・大きさの製品があり、それぞれに合わせた梱包をしなければなりません。
アパレル・ファッション・ジュエリーといった商材の発送代行を依頼するにあたっては、OTSへご相談ください。
長年にわたってファッション業界の物流アウトソーシングを担ってきた実績があり、発送代行はもちろんのこと、それに付随する管理業務や物流コンサルティングなども提供しています。
3PL(サードパーティーロジスティクス)とは?物流業界でのメリットを解説
まとめ
物流業務のノウハウがない事業者にとって、発送代行サービスを利用することは業務効率化や物流品質の向上、コスト削減などのメリットが期待できます。
発送代行サービスの業者選びにあたっては、費用や保管場所、サポート内容、そして商材に合わせた臨機応変な対応ができるかが重要なポイントとなります。
もし、アパレルやファッション、ジュエリー製品をECサイトで販売しようと考えている場合には、物流アウトソーシング専門会社であるOTSへ一度ご相談ください。

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