段ボールの種類|材質・形状・厚さについて詳しく説明
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最終更新日:2023/04/26
ネット通販
引っ越しやネット通販など、さまざまな場面で用いられる段ボール。
私たちの生活においてもっとも身近な梱包資材のひとつですが、じつは段ボールにもさまざまな種類があることをご存知でしょうか。
特に、これからネット通販事業を始めたいと考えている企業・店舗の担当者は、段ボールの材質や形状を把握しつつ、自社にとって最適なものを選ばなければなりません。
そこで本記事では、段ボールにはどういった材質・形状があるのか、基礎知識として覚えておきたい内容を紹介するとともに、主な段ボールの種類とそれぞれの違いについても詳しく解説します。
Contents
物流でお困りの方、
まずは相談!
段ボールの種類
一口に段ボールといっても、素材や厚さ、用途に応じてさまざまな種類があります。
まずは代表的な12種類の段ボールを紹介しましょう。
A式
引っ越しや商品の梱包材などに広く使用されているのがA式とよばれる段ボールです。
上下に4つのフラップがあり、これを組み立てることで底と蓋として密閉できる仕組みです。
ホームセンターなどでも販売されているため手軽に購入できるほか、段ボールのなかでも特に幅広い需要を誇ります。
段ボールとしての強度は平均的ですが、もっとも安価で手に入れやすいタイプといえるでしょう。
また、一般に広く普及しており組み立て方もシンプルなため、誰でも簡単に扱えるメリットもあります。
B式
コンパクトなサイズの小包などに使用されるのがB式とよばれる段ボールです。
A式とは異なり上下方向があり、上部には蓋が差込式になっていることが大きな特徴です。
段ボールを組み立てる際に糊付けやテープが不要で、A式に比べて素早く組み立てられるメリットがあります。
小型の荷物を配送する用途以外にも、ギフト用の梱包材としても使用されることがあります。
C式
C式段ボールは、箱と蓋が別々になったタイプの段ボールのことです。
弁当箱のような形状であることから、弁当箱型段ボールやカブセ式段ボールとよばれることもあります。
ギフト用の梱包材や化粧箱として使用されることが多いですが、それ以外にもチラシ・ポスターなどを配送する際にも用いられます。
N式
N式段ボールとは、1枚のボール紙から組み立てるタイプの段ボールです。
A式は胴の部分があらかじめ糊付けされており、上下のフラップを閉じるだけで組み立てが可能ですが、N式の場合は完全に平面の段ボールから組み立てる必要があります。
定形外郵便やメール便などの梱包材として使用されることが多く、コストも安価です。
一方、組み立て方法が複雑で手間がかかるといったデメリットも存在します。
地獄底
地獄底とは、底面のフラップを折りたたむようにして組み立てるタイプの段ボールです。
アメリカンロックともよばれ、糊やテープがなくても強度の高い底面を組み立てられるのが特徴です。
地獄底の段ボールはサイズも多様で、用途はさまざまなものがあります。
ワンタッチ
ワンタッチとはその名の通り、ワンタッチで底面の組み立てが可能なタイプの段ボールです。
あらかじめ底面のフラップが糊付けされているため、テープを使用しなくても簡単に組み立てが可能。
大量の荷物を出荷しなければならない物流現場などにおいて重宝します。
ヤッコ型
ヤッコ型とはタトウ式ともよばれ、薄型の荷物を四方から包み込むように梱包するタイプの段ボールです。
ノートや本、パンフレット、衣類などを発送する際に多く利用され、薄型の荷物を効率的に梱包できるのが特徴です。
また、サイズによってはメール便にも対応できるほどコンパクトなため、送料を節約したい場合にも重宝するでしょう。
筒形
筒形とはその名の通り、細長い筒のような形状をした段ボールです。
円筒形や四角形、三角形など種類も豊富で、ポスターや図面などをコンパクトに発送したい場合に重宝されます。
印刷ケース
印刷ケースとは、胴または蓋部分に社名や企業ロゴ、ブランドロゴ、商品名などが印字された段ボールです。
ホームセンターなどで購入できる段ボールは無地のものが多いですが、ECサイトなどを展開する企業・店舗では特注の印刷ケースを使用する場合も珍しくありません。
仕切り
仕切りとはその名の通り、段ボール内で荷物が動かないように固定するための仕切り材を指します。
たとえば、ワインやジュースなどをまとめてひとつの段ボールに入れて発送したい場合、仕切り材を使用することで輸送時にビン同士の衝撃を和らげ、破損を防ぐことができます。
カラー段ボール
カラー段ボールとは、色とりどりのカラーで装飾を施した段ボールです。
ホームセンターなどで購入できる段ボールは茶色や白色などのものが多いですが、カラー段ボールは赤や青、緑色、ピンクなど多種多様な色のものがあります。
化粧箱
化粧箱とは、主に贈答用のラッピングや梱包材として使用される段ボールのことを指します。
B式やC式、ワンタッチ、筒形など形状もさまざまで、ブランドや商品のコンセプトに合わせて使用されることが多いです。
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段ボールの材質・構造
自社で扱う商品に合わせて段ボールを選定する際には、材質や構造などを理解しておかなければなりません。
段ボールにはさまざまな種類のものがあることを紹介しましたが、基本的にはどの種類も「フルート」、「ライナー」、「中芯」とよばれる3つで構成されています。
フルート
段ボールをカットしたとき、断面を見ると波状の厚紙が入っていることがわかります。
フルートとは、この波状の段のことを指します。
段ボールの種類のなかでも簡単に触れましたが、波の数が多いほどフルートの密度は高くなり、強度も増していきます。
なお、段ボールの厚さによって「Aフルート」や「Bフルート」、「Cフルート」などの種類に分けられます。
ちなみに、段ボールの断面が波形になっているのは「トラスト構造」とよばれ、荷重を分散させる働きがあるためです。このトラスト構造は段ボール以外にも、ダムや橋といった構造物にも見られます。
ライナー
ライナーとは、段ボールの表面および裏面に貼り付けられているボール紙のことを指します。
ライナーの主な材質は古紙やバージンパルプで、それぞれの含有率に応じて「Cライナー」や「Kライナー」とよばれます。
また、ライナーの強度によっても「C5」や「C6」、「K5」から「K7」といったように分類されます。
中芯
中芯とは、フルートを構成するボール紙のことを指します。
フルートはあくまでも波型の形状および断面の厚さを指すのに対し、中芯はフルートを構成する内部のボール紙そのものを指します。
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段ボールの厚さ
段ボールの厚さは「Aフルート」や「Bフルート」、「Cフルート」などの種類に分けられると紹介しました。
それぞれどういった用途に使用されるのかも含めて詳しく解説しましょう。
Aフルート(5mm)
Aフルートはもっとも一般的な段ボールの規格であり、引っ越し用や宅配便などの梱包資材として広く使用されています。
ホームセンターなどでも簡単に手に入るため安価で、適度な厚みもあるため強度にも優れています。
Bフルート(3mm)
Aフルートよりもわずかに薄いBフルートも比較的流通量の多い規格の段ボールです。
ただし、Aフルートに比べるとわずかに強度が落ちるため、小型の荷物を発送する際などに多く使用されます。
Cフルート(4mm)
CフルートはAフルートよりもわずかに薄いですが、フルートの密度が高く強度に優れています。
重量物を輸送する際などに重宝しますが、Aフルートに比べるとコストも高くなります。
Eフルート(1.5mm)
Eフルートはわずか1.5mmという薄さで、かつフルートの密度が高い特徴があります。
段ボール特有の波状の断面を目立たせたくない化粧箱などに採用されることが多いですが、製造効率は決して高くないためコストがかかります。
Wフルート(8mm)
Wフルートは、AフルートとBフルートを重ねた2枚構造の段ボールです。
ライナー・中芯・ライナー・中芯・ライナーという5枚構造になっており、段ボールのなかでも特に強度に優れていることが特徴。
重量物の運搬はもちろんですが、衝撃に弱い精密機器やビンの輸送、さらには長期保存が求められるモノの梱包材としても使用されます。
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商品に適した段ボールの選び方
大切なモノを安全に輸送するためには、それぞれの特性に合わせた段ボールを選ぶことが大切です。
そこで今回は、ECサイトのなかで特に取り扱い量の多いアパレル・ファッション関連の商品に適した段ボールの選び方を解説しましょう。
アパレル商品
一口にアパレル商品といっても、Tシャツやインナー類と厚手のコートやパーカーなどを比較するとサイズは異なります。
また、一度のオーダーで1点購入するユーザーもいれば、5点、10点と大量に購入するユーザーもいるでしょう。
そのため、幅広いサイズの段ボールを揃えておく必要があります。
たとえば、Tシャツやインナーといった薄手の商品のみを購入するユーザーに向けては、B式やヤッコ型などの段ボールが適しているでしょう。
一方、厚手の商品や複数点を同時に購入するユーザーには、さまざまなサイズが選べるA式の段ボールがおすすめです。
ファッション小物
ECサイトでは衣類だけでなく、バッグや財布、ベルト、シューズといったファッション小物も人気の商品です。
アパレル商品と同様、ファッション小物も商品によってサイズや形状もさまざまで、あらゆるパターンに対応できるよう複数サイズの段ボールを用意しておくことが求められます。
オーソドックスなのはA式の段ボールですが、ベルトや財布といった小型の商品にも対応できるようN式やワンタッチ式の段ボールも用意しておくと良いでしょう。
さらに、ファッション小物はプレゼント用として購入するユーザーも多いことから、化粧箱やカラー段ボールなどもあると安心です。
ジュエリー
リングやネックレス、ピアスといったジュエリーもファッション通販では人気です。
アパレル商品やファッション小物に比べると商品のサイズはコンパクトですが、顧客満足度を高めるためにも高級感や特別感を演出したいものです。
そこで、B式やC式の段ボールをベースに印刷ケースとして仕上げたり、化粧箱やカラーダンボールに梱包したりするのもおすすめです。
OTSはアパレル・ファッション・ジュエリーに特化した物流アウトソーシング専門会社
アパレル商品やファッション小物、ジュエリーなどの商品をネット通販で販売しようと考えたとき、梱包資材の選定は重要なポイントのひとつです。
しかし、物流業務の経験やノウハウがない事業者や担当者にとって、梱包資材の選び方ひとつを例に見ても難しいと感じることも多いでしょう。
また、物流業務の経験やノウハウはあっても、人手が不足し自社だけでは対応が難しいケースも少なくありません。
そのような悩みを抱えている場合には、物流アウトソーシングの専門会社へ依頼することもおすすめです。
OTSでは長年にわたってアパレルやファッション、ジュエリーに特化した物流アウトソーシングを提供してきた実績があり、物流のノウハウがない企業・店舗に対しても一から物流体制の構築を支援できます。
梱包資材の選定はもちろんのこと、商品の梱包作業や在庫管理、配送管理なども含めトータルでのサポートをさせていただきます。
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まとめ
段ボールはもっとも一般的な梱包資材ですが、今回紹介したようにさまざまな種類があります。
配送する商品の特性や大きさ、重量などによっても最適な段ボールは異なります。
また、商品に対してあまりにも大きすぎる段ボールを選んでしまうと輸送コストが高くなるほか、輸送時の衝撃によって中身の商品が破損するおそれも出てきます。
さらに、商品を段ボールに効率的に梱包できるかも生産性を左右するポイントとなります。
段ボールの組み立てに手間と時間を要してしまうと、人件費がムダになったり長時間労働を招いたりする原因になるでしょう。
今回紹介した段ボールの種類や選び方などを参考にしながら、自社にとって最適な梱包資材は何かを比較・検討してみてください。

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