【物流が壊れる】
公開日:
:
最終更新日:2023/05/17
ファッション業界(業界情報), 経営者視点
おはようございます!
先週末は春の訪れが感じられたのに、今週はまた少し冬に逆戻りした感じの寒さですね。
そして花粉の飛散も本格的に増えてきたようなので、それぞれ自分に合った対策をして乗り切っていきましょう!!
『物流が壊れる』
これは、先週発売の週刊東洋経済のメイン特集のタイトル。
このところヤマト運輸の総量規制の話題などで、テレビやネット上で運送業界の様々な問題が取り上げられている。いろいろな考え方や見方があるけれど、やっと気づいたこの問題への注目が一過性で終わらないようにと今から懸念している。
OTSは倉庫業として物流機能の一部を担っているので、自分たちに起きている問題とも重ねながら、この物流業界が置かれている状況がいずれいろいろな問題が起きるだろうことを感じていた。
これらは、至極当然の成り行きだと思う。
とてもシンプルな話で、サービス内容と価格とのアンバランスが大きかったから。
モノづくりの世界でも同じこと。
ファッションアイテムでも大体のコスト構造が分かっているので、素材やモノづくりのレベル、そしてブランド価値から大体の適正価格がイメージできる。
それが大きく下回った価格だと、何か訳ありのモノ(サンプル品や不良品)か偽物なのかと想像する。これらのどれも当てはまらないとすると、異常なくらいにコストを抑えたモノづくりの背景があると感じてしまう。
そういったモノづくりの背景には途上国や後進国での児童労働や劣悪な労働環境などの問題が横行していて、このことが商品の品質は元より生産現場そのものを崩壊させる事故も起きている。
更に、こういった劣悪な環境でのモノづくりをしている実態が外部に伝わると、コストを抑えて稼ぐ利益を軽く吹き飛ばしてしまうくらいブランドや企業のイメージを毀損することになる。
これと同じことが物流の世界でも起きている。
元々、日本の宅配便のサービスレベルや品質は世界トップクラス。
その高レベルのサービスを提供しているのに、何故か単価は徐々に減少傾向が続いている。
物流業務に対してよく認識を間違われていることが、物量や数量が増えれば単価を下げられるという考え方。
よく製造業で機械化の進んだ生産ラインであれば、機械の稼働率が上がっていくことで1点の単価は下がっているケースもある。しかし、物流業務では少量からある程度は物量が増えることで下がっていっても、一定の物量になるとそれ以上は下がらなくなる。
これは、機械による生産であれば、そのキャパシティギリギリまで稼働率を上げることで固定費が分散されて下がっていくから。
しかし物流業務では、マテハンなどによる自動化が高度に進んでいても、まだまだ人の手による業務が多く必要とされているので物量に比例して人件費が変動するため。
物量が増えれば人の作業効率が無限に上がっていくとイメージしているのかもしれないが、物流コストの削減をしようとするなら物量のコントロールか作業内容の簡素化が最も確実で現実的な策となる。
人に関わるコストに関しては、無理をして削ってしまうと取り返しのつかないことになる。
今回、埼玉県のアスクルの大型倉庫が火災により機能を失った。
この倉庫も多くのマテハンによる自動化が進んだ最新鋭の倉庫であった。
いろいろな業種や業態の物流があるので一概には言えないけど、コストを最優先に考えて作られた流れや環境は、安全性や継続性に対して脆弱さがあると感じる。
経営者が収益性を最優先して様々な判断や決断をしてきたツケのようにも思える。
『物流が壊れる』ことになったら、経済活動や一般の生活に大きな問題となる。
効率化を進めてコストを抑えていくことも大切なこと。
それに加えて勇気をもって適正な費用を荷主や消費者に請求して、物流を支える現場の人たちに還元することが更に重要なこと。
特に物流業は人に支えられて成り立っていることを深く自覚して、関わる人たちの健康や物心ともに豊かな生活を目指していくことが改めて求められている。

OTS マーケティング部

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