【EC物流担当者必見】FBAとは?メリット・デメリット、その他倉庫との違いを解説
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最終更新日:2023/04/26
ファッション物流
EC事業者のなかには、大手通販サイトであるAmazonが提供するフルフィルメントサービス「FBA」の活用を考えている企業・店舗も多いのではないでしょうか。
また、そもそも物流に関して右も左も分からない場合、FBAといったサービスそのものが理解できていない事業者も少なくありません。
そこで本記事では、FBAとはどういったサービスなのか、基本的な概要を紹介するとともに、FBAを利用するまでの基本的な流れや手順、メリット・デメリットも含めて詳しく解説します。
Contents
FBAとは?
FBAとは、「フルフィルメント by Amazon」の略称で、Amazonへ登録した販売事業者が利用できるフルフィルメントサービスです。
フルフィルメントを一言で表すと、ECサイトにおいて商品がオーダーされてから、ユーザーの手元へ商品を届けるまでに必要なすべての業務のことを指します。
具体的には、注文受付・決済・梱包・配送のほか、倉庫内での在庫管理やユーザーからの問い合わせ対応など、多岐にわたる業務があります。
販売事業者に代わり、これら一連の業務をAmazonが代行するサービスがFBAです。
なお、FBAを利用するためには「販売手数料」に加えて「在庫保管手数料」、「配送代行手数料」のほか、必要に応じて「返送/所有権の放棄手数料」、「長期在庫保管手数料」、「納品不備受領作業手数料」、「購入者返品手数料」が加算されます。
なお、FBAの利用にかかるコストは、以下のシミュレーターで計算できます。
<料金シミュレーター>
FBAの利用方法
FBAを利用するためには、主に以下の3つの手順で進めていきます。
1.FBAをセットアップする
Amazon出品者用アカウントがない場合、「Amazon seller central」から新たに作成します。
2.商品登録・出品する
セラーセントラルへ出品用アカウントでログインした後、商品を登録します。
商品登録にあたっては、Amazonのカタログに登録されている商品から検索する方法が便利です。
もし、登録したい商品がカタログ内に見つからない場合には新規で登録する方法もあります。
その後、セラーセントラル上で商品の出荷方法を「Amazonから出荷」として指定します。
3.商品の発送準備をする
次に、登録した商品の在庫をAmazonへ発送するための準備に取り掛かりましょう。
セラーセントラルから商品ラベルを印刷し、発送する配送業者も指定します。
納品書を印刷し商品と同梱したら、セラーセントラルへ運送会社の伝票問い合わせ番号を入力。
配送ラベルをパッケージに貼り付けて発送準備完了となります。
4.Amazonへ商品を納品する
商品在庫をAmazonへ納品すると、セラーセントラル上から在庫管理や注文管理などができるようになります。
なお、納品した在庫が一定量まで不足してきたら、補充通知のメールを送付する設定も可能です。
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FBAのメリット
EC事業者にとっては、FBAを利用しなくてもAmazonに出品することは可能です。
そのため、FBAを利用すべきか判断する際には、メリットとデメリットを十分に把握しておくことが求められます。
まずはFBAのメリットを3つ紹介しましょう。
Amazonの物流リソースを活用できる
本来、EC事業者は在庫管理から発送準備、配送までを自社で行わなくてはなりません。
しかし、売上規模が大きくなるほど物流業務は煩雑化し、自社のスタッフだけではリソースが足りず対応できなくなることもあるでしょう。
また、売上規模はそれほど大きくなくても、小規模な事業者ではそもそもの人手が足りずに自社物流まで手が回らないこともあります。
このような場合でも、FBAを活用することでAmazonの物流リソースを活用できます。
Amazonプライムの対象商品となる
Amazonで販売されている商品のなかには、送料が無料になったり「お急ぎ便」が利用できたりする「prime」対象商品があります。
FBAを活用することで、自社が出品する商品がprime対象となり、売上アップにつながることが期待できるでしょう。
海外への販路拡大が容易
国内での売上拡大だけでは限界を感じ、海外へ販路拡大を目指す越境ECを検討している事業者も多いのではないでしょうか。
本来、海外へ販路を拡大するとなると、物流コストの上昇やノウハウ不足などさまざまな課題に直面するケースも少なくありません。
しかし、「FBA海外発送プログラム」というAmazon独自の仕組みを活用することで、このような問題を解消し越境ECに参入しやすくなります。
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FBAのデメリット
FBAにはさまざまなメリットがありますが、その一方でデメリットや課題があることも事実です。
EC事業者が特に注意しておきたい3つのポイントを紹介しましょう。
手数料がかかる
ひとつ目は手数料がかかるという点です。冒頭でも紹介した通り、「販売手数料」のほか「在庫保管手数料」や「配送代行手数料」などを支払わなくてはならず、それ以外にも必要に応じて「返送/所有権の放棄手数料」、「長期在庫保管手数料」、「納品不備受領作業手数料」、「購入者返品手数料」などのコストがかかります。
Amazonが蓄積してきたノウハウやリソースを利用するためコストがかかるのは当然のことではありますが、自社で物流体制を構築した場合と比較してコストメリットがあるのかを十分に比較・検討しなければなりません。
EC物流のノウハウが自社に蓄積されない
FBAはAmazonのリソースを活用できる便利なサービスですが、物流業務の多くを委託することになるため、自社にノウハウが蓄積されていかないことも事実です。
将来的にビジネス規模の拡大に合わせて人材を確保し、自社で物流体制を構築していこうと考えている事業者にとっては、FBAに頼りきるのも得策とはいえない面があります。
倉庫内での商品状態を確認できない
FBAではAmazonの倉庫に在庫を預けることになりますが、一度倉庫へ納品した商品は現物を確認することができません。
保管状態によって品質が変化するデリケートな商品を扱う場合には、定期的に在庫商品の状態をチェックしなければならないこともあるでしょう。しかし、FBAではそのようなことが難しいため、顧客からのクレームが発生するリスクもあります。
FBAの倉庫とその他物流における倉庫との違いは?
FBAはあらゆる商材・商品におすすめできるとは限りません。
その理由として、FBAはAmazonの物流スキームがベースとなっていることから、物流業務のカスタマイズや調整が難しいためです。
一般的な物流倉庫においても、FBAと同様に在庫商品を納入した後は注文に応じてピッキングや梱包、配送を行うというフローが基本となります。
しかし、FBAでは「期間限定のキャンペーン・セールのチラシを商品に同梱したい」、「商品のタグを入れ替えたい」といった特別な作業は臨機応変に対応できない可能性があります。
また、そもそもFBAでは以下の商品は倉庫に預けることができず、自社で出品しなければなりません。
- 常温管理できない商品
- 動植物
- 危険物および化学薬品
- 医療機器
- 医薬品・酒類・金券、商品券など
- ネオジウム磁石及び磁気が他商品に影響を及ぼす恐れのある強力磁石
- ゴールド、プラチナ、銀などの貴金属バー・インゴッド・地金
- 金貨・銀貨・銅貨・記念コイン
- 古銭・古札
上記に該当する商品を出品する場合には、物流アウトソーシングを提供している専門業者や物流倉庫と直接契約を結び、物流作業を委託する必要があります。
商品に特化した倉庫をすすめる理由
上記でも紹介した通り、EC事業者にとってFBAは便利なサービスである反面、すべてのケースにおいて無条件に利用できるとも限りません。
そのため、EC物流を委託する際には、自社で取り扱う商品の特性を見極め、商品に特化した物流倉庫を契約することがおすすめです。
なかでも、アパレル製品やファッション製品を取り扱うEC事業者は、FBAよりも物流アウトソーシング会社との契約がおすすめです。
アパレルやファッション製品は、出荷前に入念な検品作業が必須であるほか、裾上げなどの流通加工、返品商品のタグ付け替えといった細かい作業があります。
これらはFBAで対応が難しいため、専門の物流アウトソーシング会社へ相談・依頼することがベストです。
アパレルに特化した倉庫とは|品質管理の方法や選び方のポイントを解説
OTSはアパレル・ファッション・ジュエリーに特化した物流アウトソーシング専門会社
アパレル製品やファッション製品に特化した物流アウトソーシング会社と聞いても、どこにそのような会社があるのかピンとこないという方も多いでしょう。
また、物流会社へ業務を委託しようとしても、ノウハウがなく断られたり、高額な費用が請求されたりといったことも考えられます。そのような悩みを抱えている事業者は、ぜひ一度OTSへご相談ください。
OTSは創業から35年以上にわたり、アパレル・ファッション・ジュエリーに特化した物流アウトソーシングを提供してきた実績があります。
多品種少ロットの個人ユーザー向けの配送において、さまざまなノウハウをもっており、将来的に自社で物流体制を構築したいと考える企業に対してもコンサルティングを提供できます。
まとめ
Amazonへ商品を出品するEC事業者にとって、FBAは効率的に物流体制を構築できる心強い存在といえます。しかし一方で、Amazonのリソースやスキームを活用するため、自社に物流ノウハウが蓄積されていかないといったデメリットがあることも事実です。
本記事で紹介した内容を参考にしながら、FBAを活用すべきか、専門の物流アウトソーシング会社へ依頼すべきかを慎重に比較・検討してみてください。

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