物流倉庫における付帯作業が発生する理由とは?作業負担を軽減する方法も解説
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最終更新日:2023/06/10
ファッション物流
物流倉庫ではさまざまな業務がありますが、取り扱う商材によっては付帯作業が必要になることがあります。
そもそも付帯作業とはどういった作業なのか、なぜ物流において付帯作業が重要なのかを解説するとともに、作業負担を軽減する具体的な方法についても紹介します。
Contents
付帯作業とは
付帯作業とは一般的に、ある業務に対し付帯的に発生する作業のことを指します。
たとえば、物流倉庫における本来の業務は、在庫の入庫作業や検品、ピッキング、梱包、出荷などがメインです。
ところが、荷主やエンドユーザーからのオーダー内容によっては、ギフト用のラッピングやチラシの同梱、商品の補修・加工、タグの付け替え作業などを依頼されることも少なくありません。
このような作業のことを付帯作業、または流通加工ともよばれます。付帯作業や流通加工は顧客満足度を向上させたり、物流品質を高めるためにも重要な業務のひとつです。
付帯作業と付随作業の違い
付帯作業と似た意味をもつ言葉として「付随作業」があります。一見すると同じ意味のように感じられますが、じつは両者の内容は大きく異なります。
付随作業とは、メインの作業を行うために必要な作業を意味します。
たとえば、物流業務のひとつとしてピッキングがありますが、効率的なピッキング作業を行うためには倉庫レイアウトを変更したり、所定の場所に在庫商品を格納しておかなければなりません。
また、梱包作業ではダンボールや緩衝材などの発注が不可欠なほか、出荷作業では荷物の移動や荷役作業が求められます。
このような細かい作業のことを付随作業とよび、付帯作業とは区別されます。
物流業務において付帯作業が必要な理由
本来、物流倉庫におけるメインの業務としては在庫の入庫作業や検品、ピッキング、梱包、出荷などがあると紹介しましたが、これらに加えて付帯作業を実施するのはどういった目的・理由があるのでしょうか。
顧客満足度の向上
ひとつ目は顧客満足度の向上です。
たとえば、デパートなどで提供されているギフト用ラッピングのサービスに対応できれば顧客が手間をかけることなくプレゼントや贈答品を選ぶことができ、利便性が向上します。
また、アパレル製品の裾上げやネーム入れ、ほつれの補修作業などに対応できれば、高品質な商品を提供できることはもちろん、商品を購入した後すぐに着用でき、手間がかかりません。
デパートやアパレルショップなどの実店舗では当たり前のサービスを、ECサイトでも同じように提供することで顧客満足度が向上し、リピーターの獲得につながるでしょう。
品質の維持・向上
2つ目は、商品の品質維持・向上が挙げられます。
たとえば、届いた商品に不具合や異常があった場合、顧客からのクレームや返金、返品に対応しなければならず、余計な業務が増えてしまいます。
また、アパレル製品やファッション小物などの場合、製造工程において稀に針などが混入することがあり、これが原因で顧客がケガをする可能性もあるでしょう。
商品の検品や検針作業も重要な付帯作業のひとつであり、これによってクレーム防止や製品の安全性を高めることができます。
他社との差別化
3つ目は、他社との差別化につながり売上アップにつながる可能性があることです。
たとえば、ギフト用ラッピングや製品の補修・加工作業に対応している小売事業者と、これらには対応せず販売のみに特化した小売事業者があった場合、多少価格が高くても利便性を考え前者を選ぶ顧客も少なくありません。
他社にはないサービスを充実させることで、価格面以外で勝負することもできるのです。
これにより、さらなる売上アップが期待できるでしょう。
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付帯作業の一例
一口に付帯作業といっても、取り扱う商品や物流事業者によって作業内容は異なります。今回は特に代表的な付帯作業の一例を紹介します。
出荷時の検品作業
検品作業とは、出荷予定の商品について正しい品目と数量が揃っているか、商品に異常がないかを検査する作業です。
商品の出荷にあたっては、受注票に基づきピッキング作業が行われますが、担当者の人為的ミスによって誤った品番の商品がピックアップされたり、数量が間違っていることもあります。
このようなミスがないかを検査するとともに、商品のなかに異物が混入していないか、あるいは商品そのものの破損や汚損がないかも検査します。
同梱作業
同梱作業とは、発送する商品と一緒にチラシや販促物などの同梱物を封入する作業です。
小売事業者によっては、期間限定のセールや新商品の情報、キャンペーン実施にともなう販促物や粗品を一緒に送る場合も少なくありません。
商品とは別にダイレクトメールとして送付する方法もありますが、商品と同梱することで送料を抑えるメリットがあります。
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セット作業
セット作業とは、複数の商品をひとつのパッケージにまとめる作業を指します。
たとえば、お中元やお歳暮などのように、化粧箱に複数の商品が詰められたセット品を目にした方も多いと思います。
また、ECサイトではまとめ買いやセット販売によって割引のサービスを提供しているお店も少なくありません。
セット作業は複数の商品をパッケージした後、セット品専用のバーコードを貼り付け、マスタ登録する作業までが含まれます。
ギフトラッピング
ギフトラッピングとはその名の通り、プレゼントや贈答品向けに、化粧箱やラッピング加工を施す作業です。
一般的な製品はビニール袋や緩衝材、ダンボールなどによって簡素なパッケージで配送しますが、ギフトラッピングの場合はプレゼント用として専用のラッピング加工が施されます。
商品の補修・加工
商品の補修・加工とは、特にアパレル製品やファッション小物などを扱う物流現場で多く行われる作業です。
たとえば、スボンの裾上げやボタンの取り付け、ほつれの補修、ネーム入れなどがそれにあたります。
流通加工とよばれることも多く、商品の品質維持や顧客満足度向上のためにも重要な作業といえるでしょう。
ただし、これらの作業には専門的なスキルや技術が要求されるため、取り扱う商材や品目に特化した物流会社を選ぶことが大切です。
タグの取り付け作業
タグの取り付けも、アパレル製品やファッション小物などを扱う物流現場で多く見られます。
サイズや素材、ブランドロゴなどが印字されたタグを商品一つひとつに取り付ける作業です。
一見簡単な単純作業に見えますが、サイズ表記のタグを間違えてしまうと誤ったサイズの商品を納品し、クレームや返品につながってしまいます。
そのため、タグの取り付け作業はスピーディーかつ正確な作業が求められるのです。
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付帯作業の課題
取り扱う品目に応じてさまざまな項目が存在する付帯作業ですが、課題や問題を抱えている物流現場も少なくありません。具体的にどのような課題が考えられるのか、今回は3つの例を紹介します。
作業の効率化
付帯作業にはさまざまな種類があり、多くの手間と時間を要します。一見単純な作業に見えることも、大量の商品があると手作業でこなすのに限界があり多くの労力を割いてしまいます。
そこで、付帯作業はできるだけ効率化し最小限のリソースで物流業務を回していくことが求められます。
品質管理プロセスの最適化
付帯作業のひとつである検品は、提供する商品の品質維持に欠かせないものです。
しかし、出荷予定の商品の破損や汚損、品目・数量の間違いに気付くことができないと検品の役割を果たすことができず、クレームや返品の数が増えてしまいます。
また、アパレル製品やファッション小物の検針作業に不備や見落としがあると、商品を受け取った顧客が針でケガをする危険性もあります。
このような事態を防ぐためにも、品質管理プロセスを最適化し、検品・検針を確実に行えるような体制をつくることが求められます。
リソースの確保
作業の効率化や品質管理プロセスが最適化されたとしても、付帯作業に必要なリソースが確保できていなければ物流業務全体が滞ってしまいます。
特に物流業界では深刻な人手不足に陥っており、求人情報を公開しても候補者が集まってこないケースも少なくありません。
物流現場にとって、リソースの確保は最重要課題ともいえるポイントです。
付帯作業を減らすべき理由
付帯作業は物流倉庫において重要な作業である一方で、あまりにも付帯作業が増大してしまうとさまざまな悪影響が出てきます。
付帯作業を最小限に抑えるべき理由を詳しく解説しましょう。
生産性を向上させるため
人手不足に陥っているのは物流現場だけではありません。
メーカーや卸売事業者、小売事業者など、荷主である立場の企業においても人手不足は深刻で、ときには本来業務ではない物流現場のスタッフとして駆り出されるケースもあるようです。
しかし、このような状態が慢性的に続いていると、製品開発やマーケティング、営業活動など事業の根本を支える業務に支障をきたし、生産性が低下することも懸念されるでしょう。
付帯作業をはじめとした定量的な作業を減らすことにより、本来業務に専念できる時間が増え生産性向上が期待できます。
スタッフの負担軽減のため
人手不足が深刻化している物流業界において、付帯作業のボリュームが増えてしまうとスタッフの残業に頼らざるを得ない状況に陥ります。
働き方改革が推進されている昨今、スタッフの労働時間は厳しく管理しなければならず、サービス残業や長時間労働は処罰の対象となる可能性もあります。
このような事態に陥らないためにも、無駄な付帯作業は削減し、効率化していくことが求められているのです。
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付帯作業をアウトソーシングするメリット
付帯作業を減らしたり、効率化する必要性は十分認識しているものの、荷主企業や顧客の要望である以上自社での改善には限界があるものです。
そこでおすすめしたいのが、物流専門会社に付帯作業をアウトソーシングする方法です。これによりどのようなメリットがあるのか、3つのポイントに分けて解説しましょう。
本来業務に専念でき生産性向上につながる
もっとも大きなメリットは、外部企業に付帯作業を委託することで自社スタッフの負担が減り、本来業務に専念できることです。
また、これまで物流業務を担ってきたスタッフも、コア業務にアサインすることで全社的な生産性向上につなげられるでしょう。
作業品質の向上につながる
物流アウトソーシングの専門会社は、付帯作業を含めたあらゆる物流業務のプロであり、さまざまなノウハウをもっています。
作業効率アップだけでなく、作業の正確性もアップすることから、検品の見落としなども最小限に抑えられ、品質向上につながるでしょう。
作業量やビジネス規模の増減に対応できる
取り扱う品目によって付帯作業が増えたり、反対に不要になったりする作業もあるでしょう。また、ビジネス規模の拡大や縮小に応じても物流業務の負担は増減します。
このような状況でも、外部リソースを活用することで臨機応変に対応できるメリットがあります。
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OTSはアパレル・ファッション・ジュエリーに特化した物流アウトソーシング専門会社
付帯作業の内容は取り扱う商品の種類や品目によっても異なり、特にアパレルやファッション、ジュエリーといった品目は専門的な知見が求められます。
これらの品目に対応した物流会社が見つからず、どこに委託すれば良いのか分からないという企業も多いでしょう。
そこでおすすめしたいのが、アパレル物流の専門会社であるOTSです。衣料メーカーや小売店など多くの物流を手掛けてきた実績があり、どのような付帯作業が必要とされるのか、効率的に業務を遂行するためのノウハウをもっています。
自社のリソースだけでは付帯作業が間に合わない、品質を維持することが難しいと感じている企業は、ぜひ一度OTSへご相談ください。
まとめ
付帯作業には商品の検品やギフトラッピング、チラシなどの同梱、商品の補修・加工などが含まれ、取り扱う品目によっても作業内容は異なります。
人手不足が続く日本において、物流業務を担うリソース不足に悩んでいる企業は少なくありません。
付帯作業の負担を軽減し自社の生産性を向上させるためにも、物流アウトソーシング専門会社へぜひ一度相談してみてはいかがでしょうか。

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