どこに向かって伸びるか、物流
近年多くの人が気軽にネットショッピングを利用するようになり、物流業界の需要は年々増えつつあります。
しかしその一方で、今物流業界はさまざまな問題を抱えています。
物流業界が抱える現状や今後の課題について解説いたします。
Contents
物流業界の現状と課題
ネット通販などの利用やEC市場の拡大により宅配の取り扱い個数が右肩上がりに拡大しているなか、新型コロナウイルスの流行で自宅で過ごす時間が増えたことにより、その物流量はさらに増加し続けています。
具体的にどのような課題を抱えているのでしょうか。
■ドライバーの人手不足
ドライバーは労働環境の問題などにより人手不足が深刻な課題となっています。
さらに少子高齢化によりドライバーの平均年齢も年々上がっており、高齢化が進んでしまっているのが現状です。
■小口配送の増加
ネット通販の利用により小口配送が増加し、個人宅への配送が増えています。
個人宅への配送はトラックの積載率も低く、不在時などの再配達などで長時間労働も増えるためドライバーの負担は増える一方です。
■燃料費の負担
新型コロナウイルスの流行により原油価格は下落したものの、現時点では既に高騰が騒がれており、その乱高下にリスクを背負っています。
立場的にも燃料費が上がったからといって運送費を簡単に上げることが困難な現状にあり、さらには再配達の件数の多さも燃料費の大きな負担となっています。
課題解決へ向けて~物流業界の取り組み
物流業界の需要が高まる一方で、人手不足や業務負担の増加など深刻な課題を抱えているのが現状です。
課題解決へ向けて、物流業界はどんな取り組みが必要なのでしょうか。
■物流システムの導入
物流業界においてこれまで多かった手作業による業務を、倉庫管理や配送管理などをシステム化することで、業務が大幅に効率化されます。
「スマートロジスティクス」という言葉を聞いたことがある方も多いかと思います。
スマートロジスティクスはIoTやAI技術などの最新技術を用いて物流の効率化やコスト削減などを実現することで、すでに多くの企業で導入されています。
■宅配ボックスの普及
ドライバーが抱える業務負担の一つとして、個人宅への再配達がありますが、宅配ボックスを設置することにより再配達の削減へとつながります。
新型コロナウイルスの感染拡大において、ドライバーと非対面で荷物を受け取ることができる宅配ボックスは受け取り側にもメリットとなり需要が高まりつつあります。
■ドローンやAIの導入
アメリカなどと比べると日本はドローン配送やAIの導入に遅れをとっていますが、AIシステムの活用により業務の効率化が見込めます。
過疎地や被災地などへの配送に対応できたり、配送コスト削減にもつながります。
課題解決へ向けて~国土交通省の取り組み
次に、物流業界が抱える労働環境の改善にむけ、国土交通省が取り組んでいる取り組みをご紹介します。
■輸送網の集約
従来では倉庫や流通加工場、荷捌き用施設などが各地に分散され、それぞれの輸送を行うため業務効率の低下が問題となっていました。
そこで輸送連携型倉庫(特定流通業務施設)を設立しすべての業務を一か所で行うことで、業務の効率・集約化された輸送網を実現できます。
■輸配送の共同化
物流各業者間で連携し大型共同倉庫の設立や共同配送を推進しています。
低積載率による個別納品から高積載率で一括納品が可能となり、業務負担の減少、人材不足の解消へとつながります。
■モーダルシフト
「モーダルシフト」とは従来トラックのみの輸送から鉄道や船舶へと輸送手段を移すことを指します。
これにより一度に大量輸送することが可能となり、人材不足の解消や燃料費の負担もおさえることができます。
さらには排出ガスの低下によりCO2の削減にもつながります。
物流業界の今後について
物流業界が抱える人材不足や労働負担の増加といった課題を今後解決していく鍵をにぎっていくのが、IoTのやAIの活用であるといえるでしょう。
IoTで情報収集を効率的に行うことで、業務の効率化につながります。
現在でもさまざまな企業が作業店の通過などでおよその履歴を残すことができ、配送状況はある程度わかりますが、IoT化が進むことにより、倉庫や物流センターから手元に届くまでのリアルな位置がわかるようになったり、品質管理を徹底することで最適な状態での配送も可能となります。
配車などにおいても、トラックの積載情報や空車情報などをデータ化して情報を共有し、システム化することで積載量の少ない車両を減らしたりまとめての配送が可能となりコスト削減や人件費の削減にもつながります。
AIを利用して配送ルートを算出し、配送先の割り当てや順番、経路、配送先の在宅状況などの最適なルート提案をする試みも注目を集めています。
さらに今物流業界で注目されているのが、シェアリング・エコノミーです。
配送したい荷物を、周辺にいるドライバーやライダーなどに配送依頼をすることで、ドライバーの空き時間を利用できたり配送コストが抑えられたりと、双方にメリットがあり効率的です。
荷物を受け取り、それを運ぶ。
とてもシンプルでアナログな物流業界ですが、今後ITやAIなどの最新技術の導入により業務の効率化が図られ次第に課題が解決に向かうでしょう。
そのうち荷物を運ぶのは人ではなくドローンや自動運転など無人化していく未来があるかもしれません。
時代とともに変化していく物流業界のこれからに期待したいですね。

OTS PR

最新記事 by OTS PR (全て見る)
- 【オーティーエス】2025卒会社説明会開催中 - 2024年3月11日
- 不動在庫(デッドストック)がもたらすデメリットと対処法 - 2023年6月19日
- オムニチャネルとはどんな戦略?メリットを解説|成功事例も紹介 - 2023年6月14日
ブログの読者になる
メールで受け取ることができます。
関連記事
-
-
お客様のニーズを求めて・・
OTS マーケティング部
-
-
オーティーエス社内SEのブログ
OTS マーケティング部
-
-
ファッション業界とテクノロジー (前編)エアークローゼット
OTS マーケティング部
-
-
勝手に物流について本の紹介
OTS マーケティング部
- PREV
- 服飾品における「最後まで使う」の意味
- NEXT
- 社員に聞くオーティーエスの働きがいについて