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【現場を知らない怖さ】

公開日: : 最終更新日:2023/05/17 ファッション物流, 経営者視点

おはようございます!

すっかり春の陽気も進んで、日差しが肌にジリジリする感じが初夏のようですね。

 

東アジアの情勢が緊張感を漂わせていますが、とにかく無用の衝突は避けてほしいと願います。

自分にできることをしっかりと実行するために備えを改めていきましょう!!

 

 

 

【現場を知らない怖さ】

 

先日、OTSの元お客様で高級インポートシューズのA社の役員からご連絡を頂きました。

 

外資系ERP(統合基幹業務)システムの運用での問題点のことから始まり、商品の品質検査の漏れが問題となっていることなど・・・。

現場業務で様々な問題を抱えて、スタッフが大変な状況でかなりのストレスを抱えているとのこと。

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外資系の企業でよくあるケースだけど、本国側でシステムや物流を選定して日本国内での業務に合わないのに無理やり使わせているパターン。

確かに日本の商習慣の方が世界的に見ると特殊なのかもしれないけど・・・。

 

例えば、掛け売りなどはBtoBの法人取引では当たり前だけど、欧米ではキャッシュオンデリバリー(COD)などの前払いが普通で基本的には月次の掛け売りなどの取引は少ないらしい。

 

でも、日本でちゃんと腰を据えて日本の企業や消費者を相手に商売を続けていこうとするなら、その特殊な日本の商慣習も含めた業務やお金の流れに対応することをちゃんと考えて業務を構築すべきだと思う。

 

日本は島国の閉鎖的な環境の中で、独自に発達してきた文化や技術がある。

 

掛け売りなどの商慣習なども、顔の見える狭い関係性での商売を基本として成り立ってきた歴史があるので、お互いに一定の余裕と信用を持って継続した取引を実現してきたことが背景にある。

 

これ以外の物流の現場でも、特にファッション業界のモノの流れは正にイレギュラーとの戦いと言えるくらい、予測しづらい変化への対応が求められる。

その予定通りに物事が流れていきにくい環境をある程度のレベルで管理していくことが、ファッション物流やそのシステムに求められること。

 

システム自体の設計に関しても、あるべき流れの通りに物事が流れていかないことが多々ある。

もちろん、その運用を放置したままではいけないが、そのイレギュラーだらけの運用を改善しないまま非現実的な理想の流れに乗せようと本国推奨のシステムを導入してくる。

 

品質の問題についても、欧米の品質基準と日本の百貨店やセレクトショップでは求められる品質関連の基準にギャップがある。

商品自体の品質基準は元より、その素材表記や洗濯絵表示、デメリット表示なども正確かつ詳細に求められる。

 

そういった本国との環境の違いを正確に理解しないまま、あるべき流れを押し付けてくるとどうなるか。

物流の現場も負荷が溜まり混乱していくが、そのしわ寄せが店舗や本部のスタッフにも影響して、結果納期や品質の問題が重なりお客様にも不安や不満を与えていく。

 

 

自分も経営者なので全社の業績を数字で捉えて資金計画や財務政策を決めていく重要性は分かる。

 

しかし、全社の動きをすべて数字で捉えるために各部門の現場まで完全に統合したシステムで運用することが、どれだけ現場にとっての負荷や非効率、意欲の低下に繋がっているのかをちゃんと認識すべきだと思う。

 

現場がシステムをタイムリーに正確に運用(インプット)できないと、アウトプットも正確にならないから。

システム構築の発想が経営者起点で、現場起点ではないことが大きな問題なんだと感じる。

 

お金を使う意思決定は経営者や上層部が行うが故に、そのシステムによる恩恵を受けるのが上層部になっていると、そのシステムは決して良いシステムとは言えないと思う。

物流業を行っていると、システムによる大きな効率化や業務の軽減・削減が実現できることがある。

そういう意味からも、現場にとってシステムは『魔法の杖』や『飛び道具』と感じてしまうくらい。

 

そしてその効果は働く人たちの負荷や疲労を軽減して、やる気を引き出したり維持したりもできる。

 

その大切なシステムが、本国や経営陣のために使いにくく非効率な運用を強いられているとしたら、直接的にも間接的にも業績に悪影響を与えることになる。

 

直接的には物流経費の増加であり、間接的には売上の減少など。

更には中長期でお客様やスタッフの離脱による、組織の脆弱化などもあり得る。

 

モノを作ったり売ったりするビジネスでは、そのサプライチェーンに関わる人たちの意識や意欲がモノに乗り移って顧客に伝わると感じることがある。

ネットやSNSなどが発達した世の中では、それが更に顕著になるのではないかと思う。

 

 

現場の力をちゃんと出せる環境づくりが、真にチームの力を発揮させていく。

それが、これからの経営者に求められることだと強く感じています。

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OTSにある7つの委員会のうちの一つ【広報委員会】 私たちは毎月発行の社外報『オープントークス』をはじめ、社内報や企業HP等オーティーエスを内外にアピールする活動を行っております。 オープントークスは、OTS内の6部門が毎月持ち回りで作成しており、皆様に楽しんでもらえる紙面を作るため日夜ネタ探しに奔走しております。 こちらのブログでは、オープントークス作成の秘話や編集後記をメインに、より社外報を楽しんでいただくための情報を発信していきます!

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