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在庫一元化のメリット・デメリット (後編)

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おはようございます。 物流業界のシューゾーこと小橋です。

 

前回 在庫一元化のメリット・デメリットの前編として、そもそも 「在庫一元化って?」 についてと、在庫一元化を実現するための 「仕組み/システム」 について記載しました。

いかがでしたでしょうか?

その反響として、今までオムニチャネルについていろいろと教えていただいた方々から、 「後編は?」 とのコメントをいただき、やべ!・・・下手な事書けないと感じています(汗

 

前回の振り返りから・・・

 

複数モール出品には、在庫一元化(システム)がマスト!

 

インターネットを使って販売するようになると、アマゾン、楽天、ヤフーといった複数モールに出店するには、商品登録に始まり、受注や在庫の管理が煩雑になるため、各モールとの連携を行うシステムが必要となります。

特に、在庫については、各モールに在庫を配置するのは機会ロスと在庫の増加につながるため、在庫を一元化する必要があります。

 

同じ在庫情報を同時に複数のサイトで販売するので、売れた数量(残りの在庫数)をリアルタイムで、各サイトに伝えないと、注文は受けたのに在庫がないと言った最悪の事態になります。

ECを運営する上で一番回避しなければならないのが、「欠品」 です。それも受注確定後なので、クレーム間違いなし! 商品の到着を楽しみにしていたお客様の気持ちは?・・・SNSでツィートなんてことになると。。。。

 

となると、在庫一元化には各モールとのリアルタイムでの連携(API)システムが必須となります。 それを実現するシステムとその特徴については、前回触れさせていただきました。

 

中でも、ファッション関連は、ZOZO、マガシーク、スタイライフ、アイルミネ・・・・などと言ったファッション系通販モールとの連携が必要となり、その連携を実現できるシステムは限られており、そちらについても記載しました。

 

在庫一元化のメリット・デメリット

では、「在庫一元化って、メリットしかないじゃん!」 と思われたかと思います。

 

確かに、アパレル・雑貨などのファッション商材は、品番・サイズ・カラーといったSKU数が多く、トレンドやシーズン性が高いため、定価で販売できる期間も短い、いわば生鮮食品のようなものです。

なので、いかに在庫を抑えつつ、売上につなげるか? 自分も、「在庫は悪」 だと教わってきました。なので、在庫一元化はそんなファッション企業には必要だと思います。

 

でもね・・・

在庫一元化によって、「売上が落ちるとしたら・・」 「売上が落ちるだけなく、経費が増えるとしたら・・」 どうしますか?

 

 

その原因をひとつずつ説明しますね。

 

サービス低下による売上減

 

ⅰ 商品到着の遅延による影響

 

たとえば、今まで各モールの物流センターに在庫をおいて販売していた場合

在庫一元化により、自社倉庫に在庫を置いて、各モールからは受注があったタイミングで各モールの倉庫に商品を送り、各モールの倉庫に到着後に個人に配送になります。

という事は、商品移動が、自社倉庫 → モール倉庫 が発生します。 お客様への到着が今までより遅れる可能性があります。

 

アマゾンが宅配におけるサービスレベルを引き上げているとも言われますが、即日配送や翌日配送があたりまえとなりつつある中で、商品の遅延が売上に影響がないでしょうか?

自分もアマゾンで良く買いますが、「プライム対象商品」と書かれているのと、「プライム対象外」とでは、心理的に影響していると感じます。

リードタイムの問題は、各モールや配送会社と検討しているとは聞きますが、まだまだハードルがあります。

 

 ⅱ 複数購入時の悪影響

 

また、モールでの販売の場合は、他のアイテムや、他のブランドの商品とセットで購入することがありますが、

モール側で在庫していない場合には、取り寄せと同じなので、モール側の倉庫で商品到着時にセットしてくれないと、別々の配送となり。配送費の負担などの問題が発生します。

モールによっては、取り寄せ品のセットを商品到着時にモール側の倉庫で行っていたが、最近はできていない・・・との声も聞きます。

 

高額品で単品購入が多い場合は問題ないのですが、アクセサリーなどのセット率が高い商品は、それが理由で自社商品が選ばれないなんてことにも・・・。

モールの場合は、そのブランドになければ、他のブランドで似たようなものは溢れているので、せっかくカートまで誘導しておきながら、他社の類似品で購入なんてことにも・・・

こんな話を聞いてことがあります。

ある会社で複数のブランドを同じサイトで展開していて、サイトリニューアルでサイト上に別ブランドには、リンクを貼って移動する仕様にかえたところ、リンク先のサイトには流入率が減って売上が落ちたと・・・

ってことは、サイト上でのちょっとした変化が、お客様の購入率に大きく影響するため、ブランド側での視点だけでの変更は命取りになることもあります。

 

なので、モールに在庫されているからこそ実現されていたサービスができなくなる、もしくはサービス低下をちゃんと考慮しないと、売上UPの在庫一元化がかえって売上減になんてことも・・・

 

各モールへの配送の問題

 

複数のモールを考えている会社は、どのモールも同じ売上なんてことはなく、売れているモールもあれば、そんなに売れていないモールもある・・・・

売れているモールには在庫が集まるが、売れないモールは在庫が集まらない、そうなるともっと売れなくなる・・・負の連鎖を防ぐには、在庫連携すると理論上はどのモールも品揃えや在庫数は最大値になるので、売れるようになる・・・

さらに売れるようになると、モールのランキングに載るようになると、さらに売上UPになる・・・・万歳!

 

ファッション企業側も、複数モール出品により販売機会を増やすことは、以前の店舗数の増加が売上UPと同じ原理で、なるべく多くのモールに出品したいと考える、

さらには、在庫一元化により同一在庫で展開できるため、やらない手はないと考えるのが当然ではないかと思います。

 

ただ、各モールの売上と配送費について考えたことはあるだろうか?

 

ⅰ複数モールとの在庫連携で配送費UP

通常のBtoBと違い、BtoCの場合は、物流費率が 5%→12% といわれている。その増加の原因が配送費である。 これもアマゾンの影響で配送費は自社負担と言ったところが多いのではないだろうか?

在庫一元化により、各モールには在庫を置かないため、受注後に自社倉庫からモール倉庫に移動が発生する。いままではまとめて送っていたので、あまり気にならなかったが、オーダー単位でとなると毎日配送。

各モールでの日々の売上によっては、配送費もばかにならない・・・。

 

 

 最後に忘れてならないのは・・・

在庫一元化のデメリットはざっとこんなものだろうか?

あとは、前編でもコメントした、カートシステム、OMS、基幹システム、さらには、顧客データの統合する上でのCRMシステム、さらには、物流システム(WMS)との連動は接続の数だけ費用がかかえると思った方がいい。

各モールとのAPI連携についても、まだまだバッチ連携のところもあり、その際の在庫連動の仕組みを作るとなると・・・・いったいいくらかかるのか?

 

さらに、自分が考える一番の問題は。カートはカートシステムの会社、基幹システムは基幹システム会社、モールはモールを運営する会社・・・物流は物流会社とそれぞれが別会社となっている。

それぞれの会社が自分たちの事業領域以外のことには非協力的もしくは、そもそも知らない・・・・クライアントを前に関係するシステム会社通しで、ぶつかり合うことも・・・なるべく面倒な事は相手になすりつける・・・。

 

となると、システムそのものは優秀でも、システム全体で考えると使い物にならない、もしくは莫大な費用がかかる・・・時には、本来必要な機能が使えない・・・なども実際に発生している。

その点では、システム間で実績があるのか・・・親和性もシステム会社選びも重要なポイントになり、それらのシステム会社を取りまとめるプロジェクトマネジャーは、すごく重要!!!

 

 まとめ

いかがでしたか? 複数モールの出品での、在庫一元化や店舗在庫との連動などの情報が氾濫していて、「他社がやっているから」 ・・・との理由ではなく、

自社にあった、自社サイトのあり方、他モール出品の目的・・・在庫コントロール・・・店舗との相関関係・・・

最後は、そのブランドのお客様に選ばれやすい、わかりやすい接点(UI)になっているのか? ・・・・ここが重要になるのではと思います。

 

お願い)

在庫一元化のメリット・デメリットについては、独自のこれまでの経験と、お聞きした情報をもとに書きました。事実と異なる内容や認識違いなどあれば、ご指導いただければと思います。

 

今回もかなり長文になりましたが、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

次回は、上記デメリットを踏まえ、どのような企業が他モール展開にて適しているか?こちらも極めて個人的な見解ですが、番外編として書かせていただきます。

 

「物流からファッション業界を元気にする」・・・おせっかい物流のOTSまでご連絡ください。

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小橋重信

小橋重信

物流案内人株式会社オーティーエス
アパレル企業に10年勤務し、商品の企画・発注から店舗運営などに関わってきました。その後は、IT関連の会社で提案営業として企業のネットワーク及び、サーバー構築を行ってきました。OTSでは、ジュエリー物流の責任者として業務にかかわり、現在はマーケティング部の責任者として、お客様の物流改善のアドバイスからEC物流、品質管理サービスなど、OTSの付加価値サービスの企画・提案を行っております。 趣味:テニス マラソン ゴルフ・・・子育て奮闘中!

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